1日に福田首相が辞任を表明した後、経済や社会を揺るがす事件が次々と起こりました。

 米国ではリーマン・ブラザーズという業界4位の証券会社が倒産し、その日本法人も3兆4000億円という多額の負債を抱えて民事再生手続を申し立てました。連鎖倒産への不安が強まって金融市場での資金の流れが滞っており、景気のさらなる悪化につながりかねません。

 また、三笠フーズが農水省から買った農薬やカビで汚染された米が、食用として全国24都府県375業者に流通し、高齢者福祉施設や保育園などの給食にも使われていました。三笠フーズに汚染米を売りながら使用方法についておざなりの調査しかしてこなかった農水省の責任が問われています。

 さらに、年金では、「消えた年金」、「宙に浮いた年金」に加え、「消された年金」問題も明らかになりました。従業員の給与から天引きした厚生年金保険料を事業者が滞納した際、社会保険事務所が事業者に保険料を減額する届出書を提出させ、天引金額より少ない保険料を徴収して見かけ上は滞納を解消する一方、事情を知らない従業員の年金は消されてしまうという問題です。

 金融、食、年金という国民生活に関わる重要問題が生じているにもかかわらず、政府・与党は総裁選挙を理由に国会の開会を12日から24日に延期しました。野党の要請により、18日にも参議院で汚染米問題の閉会中審査を行う予定ですが、本来であれば既に結果が見えている総裁選挙を打ち切り、一刻も早く国会を開いて各問題の対策を議論すべきです。