16日、東京の日比谷公会堂で「民主党2010年度定期大会」が開催されました。

政権交代後初めての定期大会です。本来であれば明るく和やかな大会になるはずですが、前日から石川知裕代議士を含め小沢幹事長の秘書を務めていた3人が東京地検特捜部に逮捕されるという非常事態が生じ、会場は重苦しい空気に包まれました。

民主党代表としてあいさつした鳩山総理は、「やましいことはないという小沢幹事長の言葉を信じる。捜査の行方を冷静な判断で見守って欲しい」と党内外に呼びかけました。

その直後、プログラムにはない小沢幹事長のあいさつが行われました。まず今回問題となった陸山会による土地の購入資金について、「不正な金は使っていない」と明言し、「今年初めに検察から問い合わせがあったが、積み立ててきた個人の資金だと説明し、金融機関の名前、支店名も伝えた。その後、検察から口座の書類を入手したとの回答があったので『疑いが晴れた』と安心していたら、突然逮捕されて本当に驚いた」とこれまでの経緯を説明。

その上で、「今回の逮捕は容認できない。断固として自らの信念を通す」とし、当面は輿石代表代行に幹事長の職務を委ね、「こういう権力の行使の仕方について全面的にきちんと対決する」と不退転の決意を述べました。

今回の土地購入問題については、客観的な裏付けのない出所不明の情報が多く、そのような情報をもとにして違法行為があったかどうかは判断できません。また、特捜部が絶対的に正しいとも言えないでしょう。

現に、公判係属中の西松事件で特捜部は、「被告が収支報告書に寄付者として記載した政治団体は実体のないダミーであり、西松建設と記載しなかったのは虚偽記載だ」と主張していましたが、先日の証人尋問では、政治団体がダミーでないことを裏付ける検察側証人の証言があったからです。

この特捜部にとって極めて不利な証言を覆い隠すかのように、同じ日の夜に強制捜査が行われ、翌日石川代議士らは逮捕されています。西松事件と同じ過ちを特捜部が犯していないかどうか、捜査の行方を注視したいと思います。