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11日、東日本大震災大津波の「岩手県・大船渡市合同追悼式」に参列しました。会場に向かう途中、陸前高田市のかさ上げ工事の現場を見ました。まだ1軒の家もない、広大で荒涼とした土地が広がっています。住宅再建や新たなまちづくりはこれからです。追悼式では、津波で行方不明になった娘さん(当時大学生)を探しに、毎月東京から大船渡を訪れるというお父様が追悼の言葉を述べられました。

家族や住まいやふるさとを失い、今も辛く悲しい思いをされている方々にとって、「震災から5年経った」のではなく「震災が5年続いている」のだということを、改めて感じました。安倍政権は、震災から5年を契機として、「集中復興期間」から「復興創生期間」に移行するとしています。しかし、震災が今も「続いている」のに、復興に無理やり区切りをつけるやり方は、被災された方々の現実を顧みない暴挙と言わざるを得ません。

 私が事務局次長を務める民主党の東日本大震災復興推進本部では、被災された方々の現実を直視するとともに、家族を失った方、住まいを失った方、故郷を失った方に対し、真に役立つ法案を準備中です。すなわち、

①長期にわたる避難生活等を原因とする震災関連死の方のご家族に対し、公正な基準と手続きによって災害弔慰金を支給するための法改正、

②建築価格の高騰に対応するため、住宅再建の際などに支給される被災者生活再建支援金を増額するための法改正、

③津波で居住できなくなった地域を有効に活用するため、権利関係が不明ないし複雑な土地を行政が円滑に取得できるようにするための法改正、

などを3月中に国会に提出すべく同僚議員らと立案しています。そして、これらの法案については、東日本大震災の復興を促進するだけでなく、今後起こり得る災害の復興にも役立たせるため、なるべく応用範囲の広いものにしようと考えています。

震災から5年経ち、「記憶の風化」ということが言われます。これを防ぐため、マスコミは、3月11日を前に、震災当時の記憶を思い出させるような番組や記事を数多く発信していました。しかし、11日が過ぎれば発信は極端に減り、再び「記憶の風化」が進んでしまうことが容易に想像できます。

大切なことは、被災地で過去に起きたことを「思い出す」だけでなく、被災された方々が今も直面する困難を「思い続ける」こと。そして困難を打開する方法を一緒に考え、実行に移すことだと思います。まずは、私たちが率先してその役割を果たしていきます。