160229 予算委員会 5

29日、今国会5回目となる予算委員会での質疑に立ち、これまで問題となったことを中心に尋ねました。まずは、軽減税率を導入すれば販売農家の事務が煩雑になることに関連し、麻生財務大臣が「農家には1回も税金を払ったことがない人もいる」と発言したことについて。私は発言を撤回して謝罪すべきではないかと質しましたが、麻生大臣は「税務関係の事務負担に不慣れな方もいるという趣旨だ」と弁解。それなら、なぜ直接そう言わないのか。あえて農家を軽視、蔑視するような言い方をするのは、常識に反します。

次に、大臣の資質。就任から半年近くたっているのに、丸川環境大臣は「日程調整中」だと言って放射性廃棄物の処分候補地に出向かず、高木復興大臣は「事実無根」と言いながら疑惑報道を続けるマスコミに何の対抗手段も取りません。これも常識に反しています。

また、安倍首相は、憲法学者の7割が自衛隊を違憲としていることをもって憲法9条改正が必要だと述べていました。そこで、「憲法学者の98%が集団的自衛権を違憲だと言っている以上、なおのこと憲法9条は変える必要があると考えているのではないか」と尋ねると、「合憲だと国会で何度も答弁した」と改正が不要と取れる答え。矛盾し、常識外れです。

さらに、民間金融機関が日銀に預ける当座預金の金利をマイナスにしていることに関して。黒田日銀総裁に、預金規定を素直に読めば不可能ではないかと質すと、「双方合意の上だ」と主張。実際には、預金規定は変えず日銀の一方的な判断により、マイナス金利にしています。「こうした扱いが許されるなら、民間銀行も預金利息をマイナスにできるのではないか」と追及すると、「当事者の合理的な意思解釈によれば、できない」との答弁。「合理的な意思解釈」とは要するに「常識」のことです。日銀にお金を預ける人と民間銀行にお金を預ける人とでなぜ常識が違うのでしょうか?このこと自体、常識を超えています。

答弁が二転三転していた岩城法務大臣にも、「行政機関の長が安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めなければ特定秘密は提供できない」とする特定秘密保護法の定めについて、改めて尋ねました。これが適用されると会計検査院の検査に必要な情報が提供されなくなり、憲法90条に反するのではないか、と問うと、岩城大臣は、この定めによって情報が提供されなくなることは「常識的には(適用は)考えられない」と答えました。

しかし、「常識的には考えられない」答弁を平気で言い放つのが現在の政権を支える人たちです。「常識的には考えられない」ことが十分起こり得ます。当てにできない「常識」より、ゆるぎない「法律」によって権力の暴走を止める。そうした「法の支配」を守り抜くため、法を作る私たち国会議員は、なお一層奮起しなくてはなりません。