DSC0062523日、盛岡市長選挙の投開票が行われました。民主党岩手県連が推薦した内舘しげる候補は5万1930票を獲得しましたが、残念ながら4選を目指す現職の前に1万6千票の差で敗れました。最後まで絶大なるご支援を頂いた多くの皆様、選挙活動にご理解とご協力を頂いた市民の皆様に、深く感謝を申し上げます。

高校の同級生で長年の友人である内舘候補が当選を果たせなかったことは、非常に残念であり、応援した自分の力不足を深く反省しています。しかし、ここでは個人的な思いとは離れ、内舘候補がこの選挙を通じ盛岡市民に残してくれたものを考えてみたいと思います。

盛岡市長選は、4年前の前回は震災直後という事情もあって無投票でした。8年前の前々回は選挙戦になったものの31%の投票率でした。最近の地方首長の選挙をみても、無投票で有権者に判断の機会がなかったり、著しく低い投票率で有権者の関心が薄かったりする例が目立ちます。

現に岩手県知事選挙は、与党が推す対立候補予定者が安保法案の逆風を理由に突如出馬を取りやめ、20日に無投票で達増知事の3選が決まりました。9日に行われた埼玉県知事選挙では上田知事の4選が決まりましたが、投票率はわずか26%です。

少子化、若者の流出、独居高齢者の増加、国と地方の財政難、中心市街地の衰退など、どこの地域でも多くの課題を抱えています。「このままでは大変なことになる」と多くの人が心の中では思っているのでしょうが、強い権限を持つ現職に対抗し、自分の仕事や生活を犠牲にしてまで立候補する人はめったにいません。そして、仮に立候補する人物が現れても、現職との関係を慮って積極的に応援しようという人は少ないのが現実です。

そうした中で、内舘候補は、本人が「0対100」の戦いと言ったとおり、5か月前に政治経験も選挙経験もゼロの状況で立候補を決断しました。以後一日も休まず、家族や仲間と共に、辻立ち、あいさつ回り、街頭演説、政策研究を重ね、地道に理解者と支援者を増やしてきました。彼の勇気、本気、根気の成果が、「43対57」という両候補の得票率、そして、前々回の市長選挙を20%上回る51.45%という投票率に表れています。

内舘候補のゼロからの挑戦は、盛岡市民に今後の市政を選択する機会を与え、選挙に行く意欲を呼び覚ましてくれました。敗れはしたものの、盛岡市民に大切なものを残してくれた内舘候補。その頑張りに対し、一市民として心より敬意と感謝の意を表します。