20131211宮城視察国会閉会中は、復興の現場を極力訪ねようと思っています。11日は、民主党の東日本大震災復旧・復興推進本部のメンバーで女川町、石巻市、東松島市へ。13、14日は、独自に大槌町へ行ってきました。

女川は、湾口から陸地に向かってV字型に狭まる地形により、津波の高さは30mを超えるところもありました。高台にある地域医療センター周辺では、住居地域を設けるため山を切り崩す工事が急ピッチで行われていました。漁港近くにはカタールからの支援で作られた、大津波にも耐えうる水産物用の巨大な冷凍冷蔵庫がありました。漁業関係者を元気づけ、女川の復興のシンボルになっています。

石巻では、水産加工場の復旧が進み、全長900mにもなる巨大な魚市場もできる予定です。高性能の放射能検査システムが最近導入され、風評被害を避ける努力もしています。また、地元の工務店が協同組合を作り、採算が厳しい災害公営住宅の受注にも取り組んでいます。日本製紙の巨大な工場も順調に稼働し、民間の活力を感じました。他方、亀山市長からは、基幹道路の用地買収の難航や入札不調の増加傾向などの課題が挙げられ、用地取得の特例措置や、入札参加者を他の工事で優遇する仕組みにつき意見を交わしました。

仙台と石巻の間に位置する東松島では、高台移転するJRの駅周辺に風光明媚な景観に配慮したまちづくりを計画、住民の理解も得て順調に工事が進んでいる様子でした。仙台との往来が便利になり、今後ベッドタウンとしての発展が見込まれそうです。

大槌では、碇川町長と大水副町長からお話を伺い、人口流出を食い止めるためにも早くまちづくりを進めたいが、役場の職員と工事現場の人手不足、土地取得のための労力の負担が足かせとのことでした。仮設住宅から新築の災害公営住宅に入居したお年寄りは、通院や買い物の移動手段に苦労しているとのことでした。水産加工業者4人で立ち上げた「ど真ん中・おおつち協同組合」では、仮設の水産加工場ではやれる仕事が限られており、本設の共同加工施設が早く欲しいという声がありました。

box-s-gwem6nmvgro7jfw7je4oslqmbu-1001都市部よりも急速に人口減少が進む全国各地の市町村にとって、これからいかにして地域社会を維持するかは深刻な課題です。三陸沿岸の市町村は、震災を契機に否応なしにその課題に向き合うことになりました。水産業など地域特有の産業を活かすこと、個々の事業者が協力して低コストで幅広い仕事をできるようにすること、交通の利便に配慮したまちづくりを行い、他地域との連携を強めることなど、三陸の取組みは全国のモデルになります。その意味でも、震災復興は国政の最優先課題です。