10日、民主党の常任幹事会で新たな人事が固まり、私は、地域主権調査会の事務局長を務めることになりました。会長は、私が総務大臣政務官としてお仕えした元総務大臣の原口一博代議士です。その原口大臣時代の平成22年6月に「地域主権戦略大綱」をまとめ、閣議決定しました。明治維新以来続いた中央集権体制を抜本的に改め、「地域主権国家」へ転換するために必要な改革プランを掲げたものです。

その際、地域主権改革とは、「日本国憲法の理念の下に、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするための改革」と定義しました。

前段の「住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにする」という点では、国の権限と財源を地方に移す必要があるため、国による義務付け・枠付けの見直しや、地方交付税の拡大、ひも付き補助金の一括交付金への転換を進めてきました。(ただし、一括交付金は自公政権になって廃止されました。)

一方、後段の「地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにする」という点では、まだまだこれからです。官でも民でもなく、そこに住む人々が、教育や医療・福祉などの分野で、各地域の実情を踏まえ創意工夫をこらしたサービスを提供できるようにすることが、地方の人口減少と産業衰退に歯止めをかける手段になると考えます。原口会長と共に、各地のそうした取組みを現場で学びながら、地域主権改革を進めていきたいと思います。

15日に告示された大阪府の堺市長選挙では、大阪府を東京23区のように特別区を持つ大阪都にすべきかどうかが争点です。大阪都になれば政令指定都市である堺市は分割されていくつかの区になりますが、それが地域住民にとっていいことなのかどうか。地域主権改革という観点からいえば、府を都にして地方公共団体を強化するという前段の点だけでなく、住民の地域課題への参加という後段の点も考慮しつつ、慎重に判断されるべきです。