15日、衆議院の議員運営委員会ではじめて質疑を行いました。相手は、会計検査院の検査官の候補者、河戸光彦氏です。会計検査院は、憲法90条に基づき国の収入支出の決算を検査する独立行政委員会です。その最高機関を検査官会議と言い、これを構成するのが3人の検査官です。政権に都合のいい人物が検査官に選ばれ、検査に手心が加えられることのないよう、検査官は両議院の同意を得た上で内閣が任命することになっています。

今回の質疑は、衆議院として、河戸氏が検査官にふさわしいかどうかを審査するために行ったものです。私は、議院運営委員会の委員ではないものの、決算行政監視委員会の理事の時に憲政史上初めての国会仕分けを実現したこと、総務大臣政務官の時に行政監視を担当し、政府の仕分け人も務めたことなどが評価され、民主党を代表して、この質疑に臨みました。

短時間でしたが、私は三つのことを尋ねました。

第一に、民主党政権時代に事業仕分けをはじめ、国会でも政府でも行政や決算の監視の仕組みが強化されたが、会計検査院は今後どのようにして存在感を発揮していくのか。

第二に、過去に、会計検査院の職員が検査した先の組織団体に天下りするケースがあったが、検査先に厳しいことを言うために自ら襟を正すべきで、再就職の管理は厳しくするべきではないか。

第三に、行政改革に積極的に取り組んだ民主党政権時代、会計検査院も決算検査で問題ありと指摘する金額が大幅に増えたが、今後も無駄の削減について徹底的に努力するつもりはあるか。

河戸氏からは、第一の問いについては、会計検査院の検査活動と類似する仕分けなどの動きを注視、留意しながら検査に当たる旨、第二の問いについては、国民から信頼を損ねることのないよう、厳正、公正な立場を守る旨、第三の問いについては、経済性、効率性、有効性などの観点からの検査を引き続き行い、国民の期待に応える旨の答弁がありました。

国会同意人事をめぐり、マスコミは、与野党の駆け引きばかりに注目し、肝心の審議の内容を報じることはほとんどありません。しかし、今回は、朝日新聞が私の質疑を取り上げてくれました(16日付「この日の一問」)。同意人事の重みを考えるきっかけになればと思います。