17日、立憲民主党の「次の内閣」閣議が行われました。ネクスト財務金融大臣である私は、政府が提出した今年度第 2 次補正予算案に反対すると共に、その内容を大幅に変更する提案を行い、基本的な方向性について了承を得ました。

反対の理由は、第一に、今回の補正予算案は先に閣議決定された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を実行するためのものですが、肝心の物価上昇率や賃金上昇率がどうなるかという「効果」につき、政府はまともな説明ができていないことです。

岸田首相は、来年1月から9月分の電気・ガス・灯油・ガソリン代の値下げのために事業者に6兆円支払い、これで消費者物価の上昇が1.2%程度抑えられると説明しています。一方で食料品など生活必需品の価格が上がり、円安によって輸入品の価格も上がっています。これらを総合的に考えると、物価はどうなるのか、政府は説明できないのです。

また、岸田首相は経済成長の指標である実質GDP(国内総生産)が4.6%程度押し上げられるとも語っていますが、それが賃金の上昇につながるのかも明らかではありません。経済の成長だけでなく賃金への分配が増えなければ、物価高が進む中で格差が広がり、生活が苦しくなる方が増えてしまいます。

反対の理由の第二は、国が23兆円もの新たな借金をして総額29兆円の補正予算案を作ったものの、このうちすぐに国民に届く金額は少なく、「見せかけ」の予算になっていることです。政府は数字を明らかにしませんが、私たちの調査では8兆円以上が「基金」に積むお金で、実際の支出はしばらく先です。また、「予備費」として4.7兆円が積み増しされましたが、これは現時点で使うあてのないお金です。さらに、今年末に編成される来年度の本予算に計上すべきものが今回の補正予算に紛れ込んでいます。

こうした問題点を正し、確実に国民の懐(ふところ)に届く予算として、私たちは、①18歳までのすべての子どもへの10万円給付や介護・福祉・保育職員の処遇改善など、家計を支えるための予算に4.9兆円、②中小企業のコロナ債務減免や肥料・飼料価格の安定化対策など、事業を支えるための予算に0.8兆円、③住宅等の断熱リフォーム支援や太陽光パネル等の屋根への設置支援など、「省エネ・再エネ投資」に1.5兆円を盛り込んだ総額7.2兆円の補正予算案を提示しています。

政府案が通れば、コロナ禍で始まった、規模ありきで効果も支出時期も不明な補正予算により、国の借金がますます増えます。この悪しき慣習を変える第一歩にしたいと思います。