24日、衆議院財務金融委員会の理事らをメンバーとする理事懇談会が非公開で行われ、私も出席しました。不正な公文書改ざんを命じられ罪悪感に苛まれ、3年余り前に自ら命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんが遺した「赤木ファイル」の提出を受けるためです。

赤木さんの上司は、赤木さんの妻・雅子さんを弔問した際、「赤木ファイル」には公文書改ざんの過程が詳細に書かれている旨語っていました。雅子さんは、昨年3月に国家賠償訴訟を起こし、「赤木ファイル」を開示するよう求めました。しかし、財務省は「裁判の結論に影響はない」との理由で「赤木ファイル」の存否さえも答えようとしませんでした。

一方、財務省は国会でも存否の回答を拒みました。国会質疑で私がその理由を尋ねると、「裁判に影響を与えるから」と裁判とは真逆の答えをしたため、審議が紛糾。二枚舌を使って裁判所と国会で「赤木ファイル」の存在をごまかしてきた財務省もさすがに観念したのか、22日に雅子さんに「赤木ファイル」を開示し、24日に国会でも開示する運びとなりました。

それにしても、なぜ財務省はこれほどまでに「赤木ファイル」を出し渋ったのでしょうか。518頁の分厚い資料の中で、目に留まったのは165頁目。財務省の本省職員から赤木さんらに送られたメールの以下のくだりです。

局長からの指示により、調書につきましては、現在までの国会答弁を踏まえた上で、作成するよう直接指示がありましたので、改めて、調書を修正後、局長説明を行う予定です。

(「局長」とは当時の財務省理財局長だった佐川宣寿氏、「調書」とは森友学園に国有地を売却するに至った理由や経緯が記載された資料、を指します。)

佐川局長の指示は、要するに「国会答弁と合わない調書の記述は書き換えろ」ということです。本来は、調書をもとにしてそれに合う国会答弁を行うべきですが、国会答弁の方に調書を合わせるというのでは、国会でいくらでも嘘を言えることになってしまいます。

「こんなことは日常的に財務省の中で起こるのか」と財務省に尋ねると、「起こることではございません」ときっぱり答えました。反面、「こんな異例なことをやるなら、麻生大臣や官房長官、首相にも相談したはずではないのか」と尋ねると、曖昧な答えになりました。

公開の委員会で、麻生大臣はじめ関係者が出席した上で、本当に佐川局長限りで国会を冒涜する行為をやったのか確認し、責任の所在を明らかにする必要があります。亡き赤木さんが国民のために遺していった貴重な資料を無駄にするわけにはいきません。