1月18日から始まった通常国会は、会期延長なく16日に閉会しました。その後、菅政権は東京などの緊急事態宣言を20日で解除することを決め、約1か月後のオリンピックも観客を入れて開催する方針のようです。ワクチンの接種は徐々に進んでいますが、直近の新規感染者数や変異株感染者の割合などを見ると、コロナの先行きは楽観視できません。

「いつ何どき、不測の事態が起こらないとも限らない不透明な状況の中で、国会を閉会していたのでは無責任のそしりを免れない。」

これは、今回の菅政権の対応を批判する言葉ではありません。10年前の東日本大震災の時に自民党の中堅議員だった菅氏が、当時の民主党政権に国会の会期延長を申し入れる際に投げかけていた言葉です。今や総理大臣であり、自民党総裁でもある菅氏は、自らの判断で国会を延長できます。今こそ10年前の自分の言葉を思い出して、「不測の事態」に対応できるようにするべきです。

さて、10年前の菅氏らの申し入れを受け、民主党政権は70日間の会期延長を行い、会期中に成立した東日本大震災に関連する議員立法は12本に上りました。私も政権与党の一員として、復興基本法や相続熟慮期間の特例法など多くの議員立法に関わりました。一方、今国会で成立したコロナ関連の議員立法はコロナ患者の郵便投票特例法など4、5本です。

加えて、今国会で審議が進まず次期国会に持ち越した議員立法は、衆議院だけで89件(うち私が中心となって提出したものが8件)もあります。その中にはコロナ関連のものも多く含まれていますが、衆議院が解散されるとすべて廃案になってしまいます。その意味でも今国会は会期を延長し、なるべく多くの法案について成立を目指すべきでした。

今国会で私自身は、議員立法の立案・提出に加え、本会議や各委員会で23回、合計で12時間あまりの質疑を行いました。財務金融委員会では、公文書改ざんの真相が記載された「赤木ファイル」を財務省が隠蔽している問題を追及し、23日の法廷で国が開示することにつながりました。法務委員会では、不祥事が頻発する入管の信頼回復なくして「入管法改正」はありえないと強く主張し、菅政権は今国会での同法成立を見送りました。

間もなく衆議院議員の任期4年が満了を迎えます。不本意な時期もありましたが、おかげさまで先日も「三ツ星国会議員」の表彰を受けるなど、国会議員としての職責を果たし続けることができました。多くの皆様からのご指導、ご鞭撻に深く感謝しつつ、これまでの御恩に報いるべくなお一層精進してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。