「明けましておめでとうございます」というご挨拶がふさわしいのか悩んでしまう、1年の始まりとなりました。年末から年始にかけて全国で新型コロナウイルス感染者が爆発的に増え、政府は7日、1都3県を対象に「緊急事態宣言」を発令しました。

これに伴って夜間の外出や営業の自粛が要請され、対象地域の飲食店が営業時間の短縮に応じれば1日最大6万円の協力金が支払われます。ただ、協力金が支払われない業種や地域にも緊急事態宣言による打撃は少なからず及びます。緊急事態宣言を1日も早く解除できるよう、コロナの感染拡大を防ぎ医療機関の負担を減らすことが目下の最重要課題です。

そのために必要な法改正につき、驚くべきことに政府与党はこれから案を固めて18日から始まる国会で審議しようとしています。順序が逆であり、まさに「泥縄式」の対応です。私たち立憲民主党では、昨年12月初めの段階で感染拡大を防止するための「新型インフル特措法改正案」を立案し、他の野党と共同で国会に提出していました。

この法案の中で、都道県知事が、緊急事態宣言の前でも臨時の医療施設を開設できるようにするとともに、コロナに感染した軽症者や無症状者を隔離するために必要な宿泊施設を確保することを義務付け、その費用を国が負担することを盛り込んでいます。現在、東京都では、コロナに感染しても入院先や宿泊療養先が決まらない人が増え続け、直近では約5千人に上っています。法改正が実現していれば、このような事態は避けられたはずです。

また、緊急事態宣言下で休業や時間短縮の要請がなされた事業者に対し、要請の内容、期間等を考慮した給付金を国が支払うことや、緊急事態宣言に基づかず都道府県知事の判断で事業者に休業や時間短縮を要請し、それに見合う給付金を支払う場合にも国が費用の一部を負担することなども盛り込んでいます。

法改正が実現していれば、より幅広い業種や地域の事業者に対し、それぞれの実情に応じた給付金を支給できました。そして、事業者の協力が得やすくなることで、感染拡大を抑えることにもつながったはずです。

この法案を提出して以来、野党は早期審議入りと国会継続を強く求めてきましたが、菅政権はこれを無視してきました。緊急事態宣言を避けようとする本気度も見られず、東京などで医療崩壊の危機が迫るまでに感染が拡大してしまいました。政府がやるべきことをやらないまま緊急事態に至り、国民に協力を求めるのは虫が良すぎる話です。緊急事態宣言を早期に解除するためにも、立法府にいる私たちが存在感を発揮する1年にします。