13日、政府は緊急事態宣言を発令する地域に7府県を追加し、計11都府県となりました。それ以外にも新型コロナの感染拡大を防ぐため、独自に飲食店の営業時間の短縮を要請している地域が北海道や宮城など11道県(18日から13道県に拡大)あります。

緊急事態宣言地域の飲食店については、営業時間を午後8時まで(酒類提供は午後7時まで)に短縮した場合、1店舗につき1日最大6万円の協力金を地方自治体から支給され、その費用の8割を国が地方自治体に支援します。それ以外の地域の飲食店については、その地域と国とで協議して決めた営業時間短縮に協力した場合、1店舗につき1日最大4万円の協力金を地方自治体から支給され、その費用の8割を国が地方自治体に支援します。

さらに、緊急事態宣言地域の飲食店に食材や飲料、資材を直接販売したり商社等を通じて販売したりしている中小事業者や、緊急事態宣言地域の旅館、交通業など外出の自粛の影響を受けている中小事業者については、今年1月か2月の売上高が前年の同じ月の半分以下になった場合、1~2月の減収分の支援金として最大40万円(個人事業者は最大20万円)が国から支給されることになりました。

要は感染拡大が深刻な地域であればあるほど事業者への支援が手厚くなります。逆に岩手のように感染拡大が比較的抑えられ、営業時間短縮を要請するに至っていない地域では事業者への支援は乏しくなります。果たして、この対応は適切なのでしょうか?

感染拡大が抑えられている地域で経済も順調なら、支援が乏しくても問題はないはずです。ところが、岩手県内の事業者にお話を伺うと、今回の緊急事態宣言が発令される前から客足が減り、発令後はさらに厳しくなったとの声が多数でした。飲食店の中には、「緊急事態宣言の地域に比べて支援が乏しいのは納得がいかない」との声もありました。

確かに、現在感染が抑えられている地域は、11月下旬から12月上旬の「勝負の3週間」から外食や外出の自粛に積極的に取り組み、感染拡大の防止に努めてきた成果が表れているとも考えられます。そして、他地域の緊急事態宣言後も自粛が続いているとなると、むしろ事業への打撃は、緊急事態宣言の地域に比べて大きくなっている可能性があります。

少なくとも前述した国の制度のうち、1日最大4万円の時間短縮営業の協力金に関する財政支援や、2か月分で最大40万円の減収支援金については、地方自治体とも協力して全国の中小事業者に拡大するべきです。新型コロナの感染拡大は地域によって差がありますが、経済的には全国が「緊急事態」であることを忘れてはなりません。