誰の年金記録か分からない「宙に浮いた年金記録」5000万件について、先の参議院選挙で自民党が配ったビラには、来年3月末までに、「すべての統合を完了させる」と記載されていました。しかしながら、このうち2000万件前後は3月末までの統合が困難となっており、政府与党の公約違反が問われています。

この2000万件の中には、既に年金をもらえる年齢に達した方の分も多数含まれています。この方たちは、年金記録の統合が遅れている間、年金が全然もらえなかったり、本来よりも低い額の年金しかもらえなかったりすることになります。このように国に埋蔵されて国民に支払われていない年金はいくらぐらいになるのでしょう?

18日朝の民主党厚生労働部門・総務部門合同会議では、社会保険庁から、「未統合記録の全体像〔推計〕」という資料が配付されました。しかし、「全体像」とは名ばかりで埋蔵された年金がいくらになるかは示されていません。私は、金額を示すことで国民の注意を促し、今後各人に届く「ねんきん特別便」を真剣にチェックしてもらうようにすべきではないか、と社会保険庁に提案しました。

ちなみに、時効特例法によって復活した年金は一人当たり74万円になるそうです。年金記録統合により発生する年金も同額程度になる可能性があります。仮に上記の2000万件のうち年金をもらえる年齢に達している方の分が4分の1程度あるとすると、74万円×2000万件×4分の1=3.7兆円にもなります。年金記録の未統合は、莫大な年金の国への埋蔵を放置することになり、一刻も早く統合を完了しなければなりません。