1日の夜、福田首相が緊急記者会見で辞任を表明しました。昨年の安倍首相に続く政権の投げ出しですが、安倍首相の時ほど驚きはありませんでした。

 1か月前の内閣改造以降、麻生幹事長の存在感が強まってきたことに加え、農水大臣の「消費者がやかましい」発言や事務所費問題、景気対策と財政再建をめぐる与党内での意見対立、インド洋での給油継続や国会の召集時期に対する公明党からの異論など、福田首相は、臨時国会で野党と対決する前に味方に足を引っ張られてやる気を失っている印象があったからです。

 福田首相は自ら「背水の陣内閣」、「安心実現内閣」と呼び、責任感と安定感を売り物にしていたはずですが、1年も持たずに責任放棄し、国民に不安を与えて辞任してしまいました。首相を代えても政権投げ出しが起こるのは、首相個人より党自体に問題があるのだと思います。次の自民党総裁選挙で誰が選ばれても、また同じようなことが起こりかねません。

 同じ日に民主党の小沢代表は代表選挙への立候補を正式に表明し、3選を目指すことになりました。同じ時期に行われることになった二つの党首選挙ですが、選挙戦の見栄えよりも、「真に責任感と安定感があるリーダーと政党はどちらなのか」に注目していただきたいと思います。