rps20151108_1820598日、今年で29回目を迎えた宮古サーモン・ハーフマラソン大会に出場しました。市の中心部をスタートし、名物の鮭(サーモン)のように川奥に進み、再び中心部に戻ってくる全長21キロの起伏に富んだコースです。雨交じりの天候でしたが、沿道の暖かい声援に加え、前泊した「たろう庵」の松本社長のおもてなしや、遠路参加した箱根駅伝の覇者「青山学院大学陸上競技部」の刺激もあり、無事に完走できました。釜石でのラグビーW杯開催と震災復興が成就するまで、来年以降も体力が続く限り参加したいと思っています。

さて、通常のマラソン大会は、公道を利用し自動車等の通行を制限して行われるため、参加選手は一定の制限時間内に走り終えなくてはなりません。この大会も制限時間が2時間20分に設定されています。今回、私は1時間49分で完走することができましたが、練習もせずに本番に臨んだら、制限時間内でゴールするのはとても無理です。もちろん、制限時間を過ぎたのに最後まで走らせろなどという身勝手は、許されるはずがありません。

10月30日に、日本銀行(日銀)は金融政策決定会合を開き、国債を大量に買って市場に出回るお金の量を年間80兆円ずつ増やす「異次元の金融緩和」を継続することを決めました。と同時に、日銀が目標とする2%の物価上昇について、達成時期が平成28年度の後半ごろ(再来年の3月まで)になる見通しを発表しました。おととしの4月に黒田総裁は2年をめどに2%の物価上昇目標を達成するとしていました。要するに今般、2%を達成するまでの期間が、当初約束した2年からほぼ4年へと倍近くになったのです。にもかかわらず、日銀は何の反省もないまま、2%の目標に達するまで「異次元の金融緩和」で金融市場に大量のお金をばらまき続けようとしているのです。

マラソンにたとえると、2時間だけ公道を自由に使わせてもらうという約束だったのに、2時間たってもゴールに着かないので4時間ぐらい使わせろ、と言っているようなものです。そして、この「異次元の金融緩和」は日銀がこれまでやったことのない金融政策ですから、練習もせずにマラソンを走っているようなものです。制限時間を延ばしてもゴールに着く保証はまったくありません。現に、最近の消費者物価はマイナスになっています。

国民にとって、勝手に制限時間を延長されて公道が使えないのも迷惑な話ですが、事は金融市場なだけにさらに深刻です。物価上昇2%というゴールにたどり着くために、日銀がこのまま大量の国債を低金利で買い続けると、国債を売った投資家などが得たお金は海外や株式、不動産などに回り、超円安による賃金上昇につながらない物価高や、過去に起きた資産バブル崩壊の危険が高まるのです。「異次元の金融緩和」が「無期限の金融緩和」にならないよう、日銀の身勝手な対応を許さず、国会で厳しく追及していきます。