rps20151020_213012ラグビー日本代表が帰国し、五郎丸選手を始めワールドカップで活躍した選手・コーチの面々が連日メディアに登場しています。大会前の壮行会には、私も2019年のW杯成功議連の一員として参加しましたが、その時の注目度とは雲泥の差です。

「スポーツ史上、最も素晴らしい番狂わせのひとつ」と評された南アフリカ戦での勝利をはじめ、強豪国を次々と破った今大会の日本代表の戦いぶりは、国民にそれだけの興奮と感動を与えるものでした。この4年間、世界一流のコーチを集め、長期の強化合宿を重ね、体格で勝る相手に技術、体力、集中力で上回って勝利する「ジャパンウェイ」を確立した関係者のご尽力に対し、心より敬意と謝意を表します。

さて、次回のラグビーW杯、そして東京五輪に向け、政府は2020年までにインバウンド観光(外国人の訪日旅行)を年間2000万人にする計画を立てています。円安に加え、格安航空会社の普及や中国や東南アジア向けのビザ緩和もあり、今年で計画が達成できそうな勢いです。

ただし、「ゴールデンルート」に当たる東京周辺や京都、大阪では、急激な外国人旅行客の増加に宿泊施設が追いつかず、マンションなどの空き部屋に宿泊させる「民泊」ビジネスが広がりつつあります。旅館業法違反の疑いもありますが、安倍政権は、国家戦略特区に指定した地域でこれを認めようとしています。しかしながら、東北をはじめ、全国には宿泊施設の余力が十分にある地域もあります。「一極集中」ではなく「一億総活躍」を目指すなら、そうした地域にインバウンド観光を増やす努力をすべきです。

政府の取組みを待たずして、雫石町ではインバウンド観光を増やすための意欲的な取組みを行なっています。先日は東南アジアのタイから旅行代理店協会の幹部の方々10数名を招いて、紅葉がピークを迎える八幡平や玄武洞、小岩井農場などを案内し、温泉旅館に宿泊してもらうというツアーを開催しました。タイの旅行代理店に雫石や岩手の魅力を知ってもらい、タイからの団体ツアーを増やしてもらおうという趣旨です。

私も20日に鶯宿温泉で行われた歓迎レセプションに出席し、協会長のスパラークさんらとお話しました。地元食材をフルに活用した美酒美食と暖かいおもてなしにとても喜び、「ぜひチャーター便でタイから多くの観光客を連れてきたい」とおっしゃっていました。4年後に釜石でも行われるラグビーW杯を目指し、日本代表の「ジャパンウェイ」を見に来る海外の皆さんにさらに楽しんでもらえるよう、インバウンド観光の「みちのくウェイ」開拓に貢献したいと思います。