rps20151010_19584211日で東日本大震災から4年7か月。亡くなられた方1万5893人に加え、今なお行方不明の方が2567人もおられます。しかも、この1か月、新たに身元が判明した方はいませんでした。こうした中、被災者を元気づけようと継続的に支援活動を行われている多くの方々が、この3連休も被災地を訪ねました。私が親しくさせて頂いている方々も、釜石市の小学校に義援金を届けに、東京から来てくれました。被災地から遠く離れていても、なお被災者に思いを寄せて活動を続ける皆様に頭が下がります。

一方、7日に内閣改造が行われましたが、復興大臣は前回の改造に続いて被災地以外の出身の議員から選出されました。被災地には復興事業の視察で2度訪問したことがあるそうですが、被災者の暮らしの実情はご存知ないようです。前例踏襲ではなく、住宅再建や職の確保など、被災者が抱える不安に寄り添って復興を進めてもらう必要があります。

TPPも「大筋合意」がされたと報じられていますが、政府が守るとしてきた「聖域」に含まれるコメや牛肉、豚肉についても、特別輸入枠や大幅な関税引下げが盛り込まれ、国内の農業に打撃を与える可能性があります。岩手にとっては、経済面だけでなく地域社会・文化の維持という面においても影響が出かねず、農山村の方々は不安を感じています。

安保法案が先月成立したばかりですが、バングラディッシュでは雫石町出身の方が「イスラム国」を名乗る者に射殺されるという事件が起きました。「イスラム国」は日本を欧米の軍事作戦に加わる「連合国」の一員とみなして攻撃を呼びかけており、日本国民もテロの標的とされる不安が募ります。

アベノミクスによって物価も上がり、賃金も上がって景気もよくなるとの触れ込みでしたが、直近では物価も賃金も国内総生産(GDP)もマイナス傾向です。にもかかわらず、2020年度まで毎年3%の名目経済成長率を続けGDP600兆円を目指すという安倍政権の目標は無責任であり、景気の先行きに不安が高まっています。

安倍首相は、改造内閣発表の記者会見で「1億総活躍社会」の実現を目指すと述べました。日本の国民全員が活躍できる社会ということなのでしょうが、最近の日本は、復興、TPP、テロ、景気をはじめ、不安だらけの「1億総不安社会」と言っても過言ではありません。生活や仕事や生命に不安を抱えた状態で、すべての国民が活躍することは到底できません。政府与党は、目くらましのように「1億総活躍」を叫ぶのではなく、まずは国民の不安を取り除くことに全力を挙げるべきです。そのために、一刻も早く臨時国会を開き、安倍首相はじめ各大臣が誠実に説明責任を果たす必要があります。