10日、人事院から、本年分の国家公務員の月給とボーナスを年間で平均1.5%、金額に直すと9.4万円程度引き下げる旨の勧告が出されました。

人事院は、国家公務員の給与と民間の賃金との均衡を図るべく、同じ条件(仕事の種類、役職段階、学歴、年齢等)にある者同士の官民給与を比較した上で、例年この時期に勧告を行っています。昨年のマイナス2.4%(15.4万円)に続いて2年連続の引下げ勧告となり、政府は、給与関係閣僚会議を開いて人事院勧告への対応を協議しました。

勧告通りに給与を引き下げると国の年間総人件費は790億円程度減ります。しかし、マニフェストに掲げた総人件費1.1兆円削減のため、勧告以上に給与を引き下げなくていいのかという議論があります。

仙谷官房長官主宰のこの会議では、まず担当政務官である私から人事院勧告の概要を説明し、原口総務大臣、野田財務大臣、長妻厚労大臣、荒井経済財政担当大臣、そして玄葉公務員改革担当大臣の順にそれぞれの立場から意見を述べました。「憲法上の労働基本権が認められていない国家公務員については、適正な処遇の拠り所となる人事院勧告を尊重すべき」との意見や、「そうは言っても経済社会情勢や国の財政状況を踏まえ、厳しい姿勢で臨むことが必要だ」とする意見などが出て、協議を継続することになりました。

私自身は、人事院勧告を尊重して給与水準を決めてきた総務省の政務官としての立場と、公務員人件費の削減を実行しなくてはならない公務員制度改革担当の政務官という立場を兼ねています。矛盾する立場を調和させるべく、給与カットに頼りすぎずに総人件費を減らす方法(定員数の削減、出先機関職員の地方移管、共済年金の見直しなど)を考えているところです。

いずれにしても、国家公務員の皆さんには厳しいことをお願いしなくてはならない夏になりそうです。