いのちを、守りたい。いのちを守りたいと、願うのです。

29日の鳩山総理の施政方針演説は印象に残る言葉で始まりました。

本会議場で私の隣の席にいらっしゃる田中康夫議員は、「『守りたい』というより『守る』と語った方が首相の決断力を示せる」、「情緒的な表現になり過ぎたかも」などと、即座に著名作家らしい解説をしてくれました。
私も、総理が劇作家の指導を受けるという話を聞いていたので、「演出にこだわって中身が乏しいと批判されないだろうか」と一抹の不安を感じていました。しかし、50分にわたる演説を聴くうちに、具体的な政策の説明に先立って随所で「いのちを守る」という政治理念を熱弁される総理に深い共感を覚えました。

例えば、経済成長戦略を述べる際には、次のような言葉がありました。

鳩山内閣における『成長』は、従来型の規模の成長だけを意味しません。人間は、成人して身体の成長が止まっても、様々な苦難や逆境を乗り越えながら、人格的に成長を遂げていきます。私たちが目指す新たな『成長』も、日本経済の質的脱皮による、人間のための、いのちのための成長でなくてはなりません。

演説の2日前の夜。仙谷大臣ほか公務員制度改革担当のメンバーと一緒に、はじめて総理の執務室に入りました。衆・参の予算委員会で連日厳しい質問にさらされ、さすがに少し疲れたご様子でした。しかし、国家公務員の幹部人事について、省庁の枠を超えて適材適所で行うための提案をじっくりお聴きいただき、総理のリーダーシップのもとでこれを進めていくことになりました。

我々が立ち去ったのは夜8時を回っていましたが、それから施政方針演説の打ち合わせをされるとのことでした。「いのちを守りたい」という総理の熱意と努力は並々ならぬものがあります。その結晶ともいうべき来年度の「いのちを守る予算」。早期成立に向け、私も政府の一員としてがんばってまいります。