21日から24日まで、衆議院予算委員会で補正予算案の審議が行われました。「岸田首相の『還元』には、原資がなかった」という8日の私の質疑での政府答弁をはじめ、様々なテーマで論戦が交わされました。その中で、先の通常国会で問題になった、復興特別所得税の防衛費への流用に続き、新たな公金の「流用」問題が明らかになってきました。

第一に、予備費の「流用」です。今回の補正予算案では予備費の使い道を、従来の「新型コロナと物価高対策」から「物価高対策と賃上げ促進」にしようとしています。その金額は2兆円にも上ります。実は、ドイツでも「新型コロナ対策」の予算が余ったため、政府与党が使い道を「気候変動対策」に変更しました。しかし、野党が憲法違反の訴えを起こし、つい最近、違憲判決が出たばかりです。一方、残念ながら日本には、こうした訴えを裁く「憲法裁判所」はありません。

ただし、憲法87条は、予備費は「予見しがたい予算の不足に充てる」ものと定めています。現在、賃金が物価を下回る状況が1年半も続いていて、「賃上げ促進」が必要なことは誰でも予見できます。予備費にするのは憲法違反です。おまけに、私が財務省の担当者に対し、「どういう状況になればこの予備費を使うのか」と尋ねても、「予期せぬ不足が生じた場合」という意味のない答えしか返ってきません。極めてずさんな税金の「流用」です。

第二に、医療・介護保険料の「流用」です。岸田首相は、かねてから「異次元の少子化対策」に必要な3兆5千億円もの財源を、国民負担を増やさずに調達すると言ってきました。岸田首相によれば、医療や介護の「歳出改革」によって現在の保険料を減らすことができるので、減った分を国民に返さずに少子化財源に回すというのです。これは、明らかな「流用」です。しかも、高齢化がますます進む中、医療・介護の費用を削ったら現場はどうなるのでしょうか。我が党の岡田幹事長が「『歳出改革』とは具体的に何をやるのか」と岸田首相に何度も尋ねましたが、最後まで納得できる答弁はありませんでした。

第三に、政治資金パーティの売上金の「流用」疑惑です。岸田首相が会長を務める「宏池会」をはじめ、自民党の五つの派閥の収支報告書では、売上先の記載漏れの総額が4千万円以上に上ることが判明しています。しかも、これで留まる保証はありません。本来は政治団体の資金として公正、透明に使うべき資金が、政治家の「裏金」に流用された可能性があるのです。東京地検特捜部もすでに捜査を始めています。

22日の予算委員会の冒頭、岸田首相は「各政治団体において適切な説明をできるだけ速やかに行うよう、幹事長に指示をした。国民に疑念を持たれることのないよう努める」と発言しました。これもどこかで聞いたセリフを「流用」しているだけかもしれません。