14日、衆議院が解散されました。本会議場にうやうやしく解散詔書が運び込まれ、議長が「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する」と短く述べると、与党側から万歳三唱が起こりました。いつもの光景ですが、私が体験した過去5回の中で、もっとも静かな「解散」でした。コロナ禍でマスクをしていて大声を出せなかったことや、任期満了直前で10日前に岸田首相が解散を予告していたので意外感がなかったことなどが影響したのでしょう。

しかし、議場を出て議員バッチを外した瞬間から、私を含めて多くの衆議院議員は、選挙が終わるまでは連日のようにマスコミをにぎわせることになります。衆議院議員は、資格を得て本来の仕事をしている時よりも、そうでない時の方が世間から注目を集めます。他の職業ではあり得ないのではないでしょうか。

それゆえに、次の世代よりも次の選挙を考える政治屋、政策よりも政局のために動く策略家、有権者に選択肢を示すよりも権力者を忖度(そんたく)する渡世人が、永田町にはびこるのかもしれません。そもそも国会議員の役割は、主権者である国民の声をよく聴いて、法律を創り、政府の過ちを正し、政治を前に進めることです。その役割をまっとうすべく、私は、この4年間も国会の内外で活動してきました。数値で表すと、以下の通りです。

いずれの数値も全衆議院議員の平均を大きく上回りました。ただし、現在の国会では、与党議員は、内閣が提出する法案の審議を優先し、なるべく早く成立させようとします。その結果、国会での質問も議員立法も少なくなりがちです。このことをもって、野党議員より国会での活動が少なくなるのは当然だと開き直る与党議員もいます。しかし、与党議員も国民を代表する国会議員です。内閣の都合に合わせるだけでなく本来の任務を果たすべきです。

私は、法務委員会の筆頭理事として、先般の入管法改正案など問題の多い法案について、審議時間を長く取り、与党議員も質問して欲しいと度々提案してきました。ところが、問題が多い法案ほど、与党は審議時間を短くし、国民の関心が高まる前に成立させようとします。

この本末転倒の国会のあり方、そして選挙と政局に集中しがちな報道のあり方を変えなければ、政治はよくなりません。そのために私は、これからも「創る、正す、進む」ことを肝に銘じ、さらに大きな成果を挙げられるよう全力で仕事をしてまいります。この4年間も多大なるご理解、ご協力、ご支援を賜り、誠にありがとうございました。