令和になって初めての新年を迎えました。新時代を切り拓くため、権力者の意向を忖度(そんたく)する政治ではなく、国民が権力者を選択する政治を目指し、今年も全力で頑張ります。引き続きご指導とご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

さて、今年は「五輪イヤー」にもかかわらず、新年早々フェアプレー精神とは程遠い事件が世間を騒がせています。まず、昨年末、密かに日本を脱出して自身の刑事責任を免れようとしたカルロス・ゴーン被告。8日、逃亡先のレバノンで記者会見を開き、自己の無実や日本の刑事捜査の問題点を延々と主張しました。

しかし、彼は海外渡航をしないという条件で裁判所に保釈を認められ、拘置所を出ていました。言いたいことがあれば日本国内でも主張できたはずです。一方、会見では、逃亡の方法を聞かれても、いっさい答えませんでした。報道によれば出国審査や荷物検査を逃れるため、大きな「黒い箱」に入って関西空港から私用のジェット機で飛び立ったようです。ゴーン被告にとって不都合な真実は、まさに「ブラックボックス」の中です。

また、日本でカジノ事業を行うのに「有利かつ便宜な取り計らいを受けたい」という意図で、担当の副大臣だった秋元衆議院議員に贈賄した疑いで、昨年暮れに逮捕された中国系企業の顧問が新たな事実を暴露しました。秋元氏以外の自民党と日本維新の会の5人の衆議院議員にも、それぞれ100万円前後の現金を配ったというのです。

5人のうち1人を除き現金の受取りを否定していますが、残りの4人に限らず、他にもカジノに絡んで違法、不当な現金のやり取りが行われた可能性があります。というのも、問題の中国系企業は、多額の資金を現金で日本国内に持ち込んだ外為法違反の疑いもかけられているからです。こちらも荷物検査をかいくぐり、多くのカジノ関係議員に多額の現金を配っている可能性がありますが、現時点で真相は「ブラックボックス」です。

7日、政府は、カジノが不正行為の温床とならないよう、カジノ規制のルールを決めてカジノ事業者を監督する「カジノ管理委員会」を立ち上げましたが、すでに手遅れかもしれません。「海外のカジノ事業者からの働きかけに対し、収賄等の不正行為を防止し、選定の公正性・透明性を確保すること」を国に求めた国会内の決議も、まったく無意味だったようです。

同日に開かれた「カジノ問題追及本部」の会議で、私からそのことを指摘し、カジノ設置の前提に疑義がある以上、「カジノ管理委員会」の活動は中止すべきだと政府側に主張しました。まずは「ブラックボックス」をこじ開け、事件の全容を解明することが先決です。