自民党派閥の政治資金パーティーにかかわる裏金問題について、岸田首相が、「国民の信頼回復のため、『火の玉』となって自民党の先頭に立って取り組む」と記者会見で息巻いたのは、臨時国会が終了した12月13日のことでした。それからまだ1月余りしか経っていないのに、岸田首相は裏金問題の「火消し」に一生懸命です。
18日、岸田首相は、最近まで自らが会長を務めてきた「宏池政策研究会(宏池会)」の解散を検討していると発言しました。宏池会では約3千万円を収支報告書に記載しない裏金とし、元会計責任者が処罰見込みとなったことを受けてのことのようです。報道で見る限り、宏池会は、法律上の「政治団体」としては解散する方向のようです。
ただし、「政治団体」ではなくなった後、「宏池会」という岸田首相を中心とする議員のグループもなくすのかどうかは、はっきりしません。法律上の「政治団体」でなくなれば、派閥としての政治資金パーティーは開けなくなるものの、岸田首相個人で政治資金パーティーを行うことはできます。そのパーティー券の販売に際し、グループに所属する議員も協力するならば、実態は変わりません。本当に「火の玉」になる気があるのなら、個人としても政治資金パーティーはやらないと宣言するべきです。
また、岸田派の宏池会だけでなく、安倍派の「清和政策研究会」、二階派の「志帥会」という三つの政治団体を合わせると、過去5年間で8億円もの収入が裏金となっていたようです。にもかかわらず、事務の責任者だけが処罰され、派閥の幹部は証拠不十分でお咎めなし、というのでは甘過ぎるのではないでしょうか。とくに6億円もの裏金を作った安倍派では、幹部が話し合って裏金の継続を決めた疑いがあります。「火のないところに煙は立たず」です。自民党総裁である岸田首相は、派閥幹部の責任を明らかにすると共に、少なくとも裏金と同額以上の政党交付金を国庫に返還すべきです。
さらに、裏金を受け取った派閥の議員についても、処罰されるのは一部のみのようです。金額の多少や訂正報告の有無によって明暗が分かれたようですが、窃盗や横領など刑法上の財産犯であれば、そのような事情で有罪か無罪かが分かれることはありません。裏金で私腹を肥やしたのであれば、脱税の罪にも当たり得ます。検察は、裏金を受け取った議員の「火消し」に手を貸すことなく、引き続き厳しく捜査を行うべきです。
このままでは、国民の怒りは収まらず、「火に油を注ぐ」ことになるのは「火を見るより明らか」だと言わざるを得ません。26日からの通常国会では、私たち野党こそが「火の玉」となり、国民の信頼を得る決意です。