24日、第170臨時国会が召集されました。衆議院本会議の最初の議題は「会期」で、11月30日まで68日間とする提案がなされ、多数を握る与党の賛成で可決しました。来週にも解散の可能性がある中で、あまりに非現実的な会期の長さです。民主党など野党は当然反対しました。

 そして、この日の最も重要な議題が内閣総理大臣の指名選挙です。ちょうど1年前に行われた指名選挙と同様、参議院では民主党の小沢代表が、衆議院では自民党総裁(前回は福田氏、今回は麻生氏)が選ばれ、両院協議会を開いても意見が一致しないため、憲法の定めにより衆議院の指名が優先されて麻生氏が首相となりました。

 形式的には憲法に従っているとはいえ、そもそも衆議院の指名が参議院より優先されるのは解散があって直近の民意を反映しやすいからのはず。しかし、直近で選挙を行ったのは昨年の参議院であり、参議院の指名の方が民意を反映しています。しかも、衆議院の指名が優先されて首相になった福田氏が突然政権を放り出しており、今の自民党中心の衆議院には優先権を主張する資格もありません。両院協議会では参議院の指名を優先させるべきだったと思います。

 国会の議決の意味が現実とかけ離れてきており、最初から終わりが近いと思わせる国会召集日でした。