13日午後の衆議院本会議では、道路特定財源制度を今年度から10年延長する道路財源特別措置法が成立しました。1月のインド洋での補給活動再開のための新テロ特措法、先日の暫定税率復活のための租税特別措置法に続き、衆議院の3分の2以上の多数により再可決したものです。

 ただし、今回の再可決は前回までと異なり、朝の閣議で成立した法案の効力が今年度限りであると決めています。この閣議に従うのであれば道路特定財源制度は1年延長で足りるはず。にもかかわらず、政府与党が10年延長の法案を成立させたことからして、道路特定財源の一般財源化という方針は既に揺らいでいると言わざるを得ません。

 そもそも参議院で否決された法案は成立しないというのが憲法の原則であり、両院協議会で修正協議することもなく衆議院の3分の2以上の多数で再可決するというのは例外中の例外です。朝令暮改とは、朝出した命令を夕方には変更するように、指導者の方針がころころ変わってあてにならないという意味ですが、13日朝夕に行われた閣議決定と道路特措法再可決は、文字通りの朝令暮改です。しかも、政府与党という最高権力が憲法の例外手続を駆使して行った点で、古今東西まれに見る究極の朝令暮改と言わざるを得ません。