11日のプロボクシング世界タイトルマッチで反則行為を繰り返した亀田大毅選手。ボクシングジムに通っている私も、あの行為については弁解の余地がないと思っています。しかも、試合の後、判定の結果も聞かずにリングから去ってしまったことも非常に残念でした。命を賭けて懸命に戦った選手同士が試合後に健闘をたたえ合う姿は、ボクシングの大きな魅力であり、スポーツとしての品格を高めている要素だからです。

17日に行われた記者会見でも本人は無言のまま2分ほどで退席し、反省の言葉はありませんでした。この時点までは、私を含め、1年間のライセンス停止処分では甘過ぎると思われた方も多かったのではないでしょうか。ところが、翌18日、大毅選手は、対戦したチャンピオンの内藤大介選手の自宅を一人で訪ね、謝罪したそうです。マスコミと一緒に行かなかったことや「誠意が伝わりました」という内藤選手のコメントからして、この謝罪は単なるパフォーマンスではなかったと思います。これまでマスコミが報じてきた大毅選手からは想像できない行為ですが、こちらが本来の彼の姿なのかもしれません。

亀田3兄弟の中では最もボクシングの才能が劣ると言われ、それをカバーするべく悪役ぶった過激な言動で世間の注目を集めてきた大毅選手ですが、彼をそういう方向に追いやった指導者やマスコミこそ反省すべきではないでしょうか。いずれにせよ、18歳という年齢からすればすばらしい実力であることは間違いありません。1年間地道に練習を重ねて、今度は実力で世界の舞台に再チャレンジして欲しいと思っています。