先月末に麻生首相が「全所帯について実施」を明言した総額約2兆円の定額給付金。閣僚から「生活に困っていない人にも配るのはおかしい」と意見が出たり、自治体から「一律給付にしないと事務負担が大きい」と意見が出たりで、首相の発言も日々揺れ動いていました。

 ようやく12日に、「高額所得者に辞退を求めるかどうかは市町村の判断に委ねる」という与党間の合意がなされたようですが、市町村によって取扱いが異なるのでは「定額」給付金ではなく「不定額」給付金です。

 また、政府見解に逆らって更迭された田母神前航空幕僚長のような役人に退職金の辞退を求めるのであればいざ知らず、何の罪もない国民に対し、いったん給付金をもらう権利を与えておきながら辞退を求めるのは制度として間違っています。

 与党としては、間違った政策を実行して批判されたくないが故に、所得制限を設けるかどうかの判断を市町村に丸投げしたのでしょう。しかしながら、政策の根本部分を決められない与党には政権を担当する資格がありません。

 国民の側から、政府与党に対し、政権運営を辞退するよう求めるべきです。