28日、平成最後の通常国会が始まり、安倍首相の施政方針演説が行われました。

「5年連続で今世紀最高水準の賃上げ」と首相は自慢していました。しかし、違法な勤労統計の調査が15年間も行われ、昨年からはその隠ぺい工作までして賃金水準が大幅に上昇したように見せかけてきたことには一切触れず。

「全世代型社会保障制度を築き上げるために、消費税率の引上げによる安定的な財源がどうしても必要です」と首相は訴えました。しかし、プレミアム商品券やポイント還元など消費税対策で使う金額の方が増税による収入を上回るため増税の意味がなかった点も一切触れず。

東京五輪で「東日本大震災から見事に復興した東北の姿を世界に発信しよう」と首相は呼びかけました。しかし、五輪開催時点でも多くの仮設避難者が存在し、原発事故の処理が未完了であることにも触れません。もちろん、安倍首相の関与が疑われ続けている公文書の改ざんや首相秘書官の虚偽答弁などには一切触れません。「不都合な真実」から目を背け、都合のよい話だけを延々と述べる演説に、誠実さは見られませんでした。

他方、我が国民民主党の執行部は、野党を結集して「大きな固まり」を創ると述べてきました。私も「政策や理念」が合致する勢力が「大きな固まり」を創ることで、政権交代可能な政治体制ができるのであれば、他の野党と協力することを拒むものではありません。

しかしながら、少人数の自由党と先走って統一会派を組むことは、単に参議院の第一会派を奪わんがためと見えてしまいます。案の定、逆転された立憲民主党は、社民党と統一会派を組み、我が党の参院議員を引き抜いて第一会派を奪い返してしまいました。結果、我が党と立憲民主党との間で対立が深まり、「大きな固まり」はかえって遠のいています。

また、統一会派の締切りまで時間がないとの理由で、私が参加できない時間帯に会議が設定され、「政策や理念」を置き去りにしたまま拙速に統一会派に突き進んでしまいました。残念ながら、これも「誠実」とは言えません。

「不都合な真実」でも国民にきちんと伝え、問題解決に向けて国民を説得しながら前に進んでいくことや、目先の数合わせのための離合集散ではなく「政策や理念」を丁寧にすり合わせ、誰もが納得する形で勢力を拡大していくことこそ、今の政治には必要です。こうした「誠実な政治」を愚直に実践することで、政権交代への道筋が見えてくると思っています。今国会でも、言うべきことを言い、為すべきことを為し、全力で頑張ります。