財務省の文書改ざん、防衛省の日報隠ぺいに続き、今週は財務省から森友学園へのゴミの運搬作業の口裏合わせの依頼や、加計学園の獣医学部新設を「首相案件」とする柳瀬首相秘書官(当時)の発言を含む愛媛県担当者の備忘録が発覚し、国会が紛糾しました。

とくに備忘録については、平成27年4月2日に愛媛県の担当者が柳瀬氏と面談した際のやり取りが詳細に記録されているにも関わらず、柳瀬氏は「記憶の限りでは会っていない」とのコメントを文書で出し、会ったことすら認めようとしません。両者の矛盾を国会で問われた安倍首相は、柳瀬氏を信頼していると答弁しつつ、備忘録の方が間違っているかどうかは「コメントを控えたい」とし、真実をうやむやにしました。

ところが、その後にこの備忘録と同じ内容の文書が農水省で発見されたという報道がなされ、13日の衆院法務委員会で、私が急きょその真偽を確認しました。農水省は報道が事実だと認めつつ、どのような経緯、状況で文書を入手したかはこれから調査するとのこと。

仮に愛媛県側が作成した備忘録が農水省などへの説明資料にも使われたとすると、担当者は、単なる内部報告用の文書以上に正確な内容となるよう注意するはずです。もし書かれた内容にうそがあれば農水省からの信用を失い、加計学園の案件に限らず、許認可や予算配分などで不利益を被る可能性があるからです。

そもそも記録もなく記憶もあいまいな柳瀬氏の言い分より、記憶が薄れる場合に備えて愛媛県側が作成した「備忘録」の方が信用できます。それでもなお自分の言い分が正しいというなら、公の場で愛媛県側に反論すべきですが、それもしていません。柳瀬氏には見え透いたうそをやめて真実を語ってもらわなくてはなりません。

安倍首相も官僚の不祥事が起きるたびに「徹底的に調査して膿を出し切る」と言いますが、一向に膿が止まる気配はありません。膿を出し切るより、むしろ膿が出ている傷口にばんそうこうを貼り、人目に付かなくすることに一生懸命のように見えます。

膿が出た傷口は、ばんそうこうを貼っても治りません。早く陽の当たるところにさらさなければ、化膿が進み手遅れになるでしょう。