DSC0338226、27の両日、岩手沿岸南部の復興状況を調査するため、現地に伺いました。9月に始まる臨時国会での審議に役立てることが主眼ですが、私の事務所でインターンをしている三人の大学生も参加し、被災地の現状を学んでもらいました。

最初に、陸前高田市の広田半島にある仮設住宅を訪ね、黄川田代議士と共に地域の方々と意見交換をしました。3年前にも伺った場所ですが、新居に移転して仮設住宅を出られた方が多くなり、住宅再建はようやく形になってきました。一方で、若い世代の流出により、基盤産業である農業や漁業の後継者確保につき深刻な声がありました。

次に大船渡市では、戸田市長から大船渡駅周辺の再開発の状況について現場で説明を受けました。駅の南側は居住を禁止して商業用地などで利用することとされ、既にホテルやショッピングモールが開業しています。今後も公共施設や商業施設が次々と完成する予定で、市の中心部は、新たなにぎわいの場所に生まれかわりつつあります。一方で、それ以外の地域では被災跡地の利用方法や整備費用の捻出に苦心しているところもあります。

さらに大槌町では、町役場で平野町長から全般的なお話を伺いました。震災以降、町役場の職員が他の自治体からの応援職員から刺激を受けて成長し、行政サービスの向上につながっていることを喜んでいました。反面、高台やかさ上げした土地への住宅再建が計画通り進まないことに不安を感じられていました。

最後に釜石市では、ラグビーW杯のスタジアム予定地や災害公営住宅の現状、新たな魚市場の活用方針、中心市街地の文化交流拠点の整備などにつき、野田市長をはじめ関係の方々に各現場でご説明を頂きました。地元の小野共県議も参加し、W杯開催時の宿泊・交通手段の確保、若手漁業者の育成など、今後の課題について意見交換をしました。

道中、三陸鉄道の三陸駅近くに、奇抜な形をした手作り風の建物を見つけ、立ち寄りました。近くで建設業を営む片山さんが震災のガレキを使って作ったもので、津波で遊び場を失った子どもたちに喜ばれてきました。復興が進んできた今は「震災資料館」として当時の時計、写真など震災の記憶を留める資料が並んでいます。この建物は、「人と人とが交わる陸の潮目になるように」との想いから、「潮目」と名付けられています。

今回は、各地で「陸の潮目」を創ろうと尽力されている方々にお会いしました。三陸の海は、暖流と寒流がぶつかる「潮目」にあり、好漁場として発展しました。三陸の土地にも、国内外、老若男女、様々な人が交わる「潮目」ができるよう、私も全力で支援します。