Torigoe参議院選挙が終わったのも束の間、14日から東京では都知事選挙が始まりました。この3年半でなんと3回目の都知事選です。

 振り返れば、3年半前の都知事選は第二次安倍政権が誕生した解散総選挙と同日に行われました。自民・公明両党の支援・支持を受けて誕生した猪瀬知事でしたが、ヤミ献金疑惑により、たった1年であっけなく辞任。その後、自民・公明両党から推薦を受けて当選した舛添知事も、政治資金の私的利用などが発覚して辞任し、今日の事態となりました。

自民・公明両党が誕生させた都知事が、一度ならず二度までも「政治とカネ」の問題で失脚しました。今回与党は、増田元岩手知事を推薦しています。過去2回の「製造者責任」も果たさず、平然と候補を擁立した与党に対し、有権者の反応は芳しくないようです。そんな風向きを敏感に察知し、党の方針に反して立候補した小池候補には一定の支持が集まっています。しかし、元々自民党都連の一員であり、同様の責任が問われるべきです。

思うに、猪瀬知事にしても、舛添知事にしても、自己の言動に対する批判の声に真摯に耳を傾ける姿勢を欠いていました。東京都は、他の多くの府県とは異なり、人口は増加、経済は好調、財政も豊かで、オリンピックに向けて更なる発展が見込まれています。その最高権力者であることが、傲慢さと常識の欠如を生んだのかもしれません。

 しかし、アベノミクスの恩恵は一部にしか及ばず、格差が拡大する一方です。「一人勝ち」の東京都の知事には、弱い立場にある人や地方に住む人の声を謙虚に聞く耳を持ち、繁栄の果実が必要な場所に行き届く都政を実現してもらわなければなりません。

今回、民進党を中心とする野党4党はジャーナリストの鳥越俊太郎候補を推薦しました。私が事務局長を務める「自誓会」のパーティに、ゲストとして招いたことがあります。鳥越さんのスピーチは、机上の空論ではなく、現場の声を大事にし、真実を追求してきたことが如実に表れたものでした。自らも街頭演説で、「私の最大の長所は、聞く耳を持っていること」と述べています。

折しも、安倍首相は、参院選でも多数の議席を得て、ますます聞く耳を持たなくなりつつあります。今必要なのは、安倍首相の声を優先して聞かざるを得ないような都知事ではなく、様々な声を聞く耳を持ち、安倍首相にきちんと物を申せる都知事ではないでしょうか。都民だけでなく、国民全体のためにも、鳥越候補に幅広いご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。