３日、北海道七飯町の林道で行方不明になっていた少年が、６日ぶりに約６キロ離れた陸上自衛隊演習場内で無事保護されました。昼夜を問わず捜索に当たられた方々にご慰労と感謝を申し上げます。と同時に、地元の方々でも気付きにくい道を少年が進んでいった結果、一番安全な避難場所にたどり着いたという点に、学ぶべき点があるのではないかと思いました。
１日に終わった、年初から１５０日間に及んだ通常国会。その冒頭、安倍首相は、「野党に対案を出してほしい」と言っていました。そこで私も今国会では、テレビ中継された予算委員会での５回の質疑を含め、計１５回の委員会質疑において政府にさまざまな提案をしましたが、そのほとんどは聞き入れられませんでした。
また、国家公務員に労働基本権を保障し自由闊達に働いてもらうための公務員制度改革関連３法案、被災地の住宅再建とまちづくりを後押しする復興加速関連４法案、政府の情報隠蔽を許さず国民の知る権利を保障する情報公開法と公文書管理法の改正案など合計９本の議員立法を立案、提出しましたが、成立どころか審議入りにも至りませんでした。
数の論理により、与党が反対すれば野党の法案は審議入りすらできないのが今の国会の現実です。せっかく出した対案も与党の一存で日の目を見ずに終わってしまいます。しかしながら、１年半前の解散総選挙の際に、安倍首相が「この道しかない」と訴えていたアベノミクスは現在どうなったでしょうか。
物価ほど賃金が上がらず、年金も目減りし、格差は広がる一方です。挙句の果て、「再び延期することはない」、「必ずやその経済状況を作り出す」と断言していた消費増税も先送りとなり、年金制度の充実も先送りになりそうです。
「この道しかない」と思い込んだり、思い込まされたりするのがいかに危険か。そしてマスコミも報じない目立たない道の行き着く先にこそ、安全、安心な暮らしがあるのではないか。悪天候の中で生き抜いた小学２年生の行動が教えてくれているように感じました。
７月の参院選に向け、私たち民進党は、「道はほかにもある」ことを粘り強く訴えます。そして、国民の皆様にその道を歩んでいただけるよう、野党勢力をできるだけ拡大したいと思います。危険な道ではなく、安全、安心な道を日本が進んでいくために、なお一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
