20160204 予算委員会22日、清原和博氏が覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されました。PL学園の4番として、桑田投手と共に高校1年から甲子園で大活躍。いわゆるスーパースターで、同世代で野球をしていた私からすると別格の存在でした。それだけに、今回の件は極めて残念です。

向こうは覚えていないでしょうが、清原氏と短い会話を交わしたことが2回あります。1回目は、彼がプロ野球に入って最初のシーズンが終わった19歳の冬、通っていたトレーニングジムのロッカールームで。偶然着替えが一緒になったので声を掛けると、とても腰が低く、気軽にサインに応じてくれました。

2回目は、3年前の8月20日、神宮球場の周辺をランニングしていた時です。黒い巨体を揺らしながら、清原氏は歩くようなスピードで走っていました。「頑張ってください」と声を掛けたのですが、「はい」という声は弱々しく、表情に精気がありませんでした。

なぜ暑い盛りに走っていたのか?今思うと、その日は夏の甲子園で花巻東などベスト4が出そろった翌日でした。甲子園で大活躍した遠い日の自分を取り戻そうと、走っていたのかもしれません。長い年月を隔てて接した清原氏の変貌ぶりを思い起こすとき、薬物の恐ろしさを強く感じます。

薬物への依存が心身を蝕むのと同様、借金への依存は国家を蝕んでいきます。4日の予算委員会では、首相らに対し、自民党の憲法改正草案の危うさ・怪しさを指摘すると共に、借金依存から抜け出すどころか、むしろ深めようとするやり方を改めるよう求めました。

今国会で安倍政権は、向こう5年間、赤字国債と復興債を発行するための法案を提出しています。いずれも国が借金をする手段ですが、借金の性質が違います。復興債は、東日本大震災の復興費用に充てるための借金で、最大でも6.5兆円。国民が納める臨時特別税や政府保有株式の売却益・配当で確実に返済されます。他方、赤字国債は毎年の税収不足を補うための借金で最低でも150兆円、桁違いです。しかも、現時点で返済の目途は立たず、期限がきたら新たな借金でしのぐしかありません。

民主党政権の時代、両者は別法案で、それぞれ国会で審議をしました。ところが安倍政権は、まさに「玉石混交」、一緒の法案にしたのです。復興を盾にすれば、野党が赤字国債発行に反対しづらいことを見越した卑劣なやり方です。赤字国債は覚せい剤と同じく、一度使い始めると自力で止めるのは困難です。国家がこれ以上蝕まれないよう、私たちが借金依存体質を改めていきます。