img_0_m23日、OBとしてずっと気になっていた東大野球部の連敗記録が94でストップしました。優勝を争う法政大学と一進一退の試合を展開し、延長戦の末に6対4で破る見事な勝利でした。当日は、bjリーグで東地区決勝に進んだ岩手ビッグブルズの応援で球場には行けなかったのですが(こちらは残念ながら秋田に敗戦)、報道によると法政が守備の乱れで失点を重ねたのに対し、東大は手堅い守りで失点を防いだとのこと。今年は普段の練習から守備に力を入れ、この春の東京六大学リーグで一番エラーが少ないのが東大だと聞きました。敗戦が続く中で守りを徹底的に鍛えることが重要だと学び、成果を出しました。守備は攻撃と違って好不調の波がないだけに今後も勝利が期待できます。

さて、日本も70年前の敗戦に学び、平和憲法のもと「専守防衛」を国是としてきました。しかし、26日から審議入りした安全保障関連法案が成立すれば、日本が攻撃されなくても日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある事態(存立危機事態)となれば他国を攻撃できるようになります。そして、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態(重要影響事態)となれば米軍などが他国を攻撃する際に後方支援できるようになります。

20150428022529安倍首相は「専守防衛の考え方はまったく変わらない」と強弁しますが、その理由について納得できる説明はありません。守りだけでなく攻撃や攻撃への加担ができるようになる以上、「専守」とは言えないはずです。さらに、存立危機事態や重要影響事態といってもあまりに抽象的なので、いかなる場合がそれに当たるのかがはっきりせず、結局政府の判断次第です。武力の行使や後方支援の前に国会承認を得ることを原則としていますが、緊急の場合は事後承認となりますし、特定秘密保護法が施行されたため国会承認に必要な情報が過不足なく提供される保証もありません。

国会での安倍首相は、質問に無関係な答弁を延々と続け、野党席から「質問に答えてください」と言われると「ヤジをやめてください」と即座に反応します。しかし、自分は野党の質問者に対して「早く質問しろよ」と平然とヤジを飛ばします。守りに弱く、攻めるばかりの安倍首相の姿を見るにつけ、「専守防衛」は口先だけに思えます。

議院内閣制のもと、首相と閣僚は国会に対し、出席義務と説明義務を負っています(憲法63条)。首相や閣僚には国会を攻撃する権利は与えられていません。また、国会での答弁がいい加減であれば説明義務を果たしていないこととなり、当然審議が中断されます。首相は国会審議で自ら「専守防衛」を実践した上で、我が国の安全保障を語るべきです。