0415法務委員会2日本では、長寿化と出生率低下により少子高齢化が進んでいます。今年は、はじめて老年人口(65歳以上)が年少人口(14歳以下)の2倍を超えました。同様に、裁判官の世界でも「高齢化」と「少子化」が進みつつあります。

まず「高齢化」ですが、裁判官になって10年経つと通常「判事補」から「判事」に昇格します。しかし、この10月に約30名の判事補が判事になれない可能性が出てきました。法で定められた「判事」の定員をオーバーするからです。これは、司法試験の合格者を大幅に増やした結果、弁護士が供給過剰となり、途中で弁護士に転じず定年まで務める裁判官が増えてきたためと思われます。次に「少子化」ですが、新たに裁判官になる人が10年前の124人をピークに減少、横ばいとなっています。その結果、新人から9年目までの「判事補」の定員は逆に欠員(余り)が増えてきました。これは、司法試験の合格者が増えたにもかかわらず、裁判官に必要な資質を持った人は、むしろ減ったためではないかと思われます。

15日、法務委員会で裁判所職員定員法の改正案について質疑しましたが、法案自体も最高裁や上川法務大臣の答弁も、以下のとおり「少子高齢化」から目を背けるものでした。

  1. 今回の法案は「判事」を32人増やすものですが、その理由として、当初最高裁は「民事訴訟事件の内容の複雑困難化、専門化」を挙げていました。しかし、私がこれを裏付ける証拠はないことなどを厳しく追及すると、「判事」に全員昇格できるようにするための措置であることを渋々認めました。

  2. そのような理由で増員して国民の血税を使うのであれば、増員に見合う成果を国民に示さなくてはなりません。私は、裁判をさらに迅速化するなどの政府目標を立てて実行すべきではないかと提言しましたが、上川大臣は聞く耳を持ちませんでした。

  3. 今回の法案では、欠員が増えている「判事補」の定員を減らすことはしていません。実は2年前にも私が「判事補」の定員過剰を指摘し、「定員充足に努める」ことを委員会全体の付帯決議で政府と最高裁に求めていたという経緯があります。にもかかわらず欠員が増えており、国会決議を尊重して判事補の定員を減らすのが筋です。

この種の法案は与野党一致で賛成するのが慣例でしたが、国民にも国会にもあまりに不誠実な政府と最高裁の態度を見過ごすことはできず、民主党は反対票を投じました。裁判官の「少子高齢化」をもたらしている法曹養成の問題も、今後厳しく追及していきます。