DSC03400国会が休会中のこの時期、国会議員は国の内外を問わず、様々な場所に視察に行きます。しかし視察先を訪ねるのは大抵1回きりで、再び同じ場所に行くことはあまりありません。

もちろん法律や予算を考える上で、永田町で議論するだけでなく試しに現地に行ってみる「試察」も大事です。しかし、被災地の復興のように長期にわたる大規模で困難なプロジェクトの場合は、法律や予算を作って後は役所に丸投げというわけにはいきません。定期的に同じ場所を訪ね、現地の人からお話を伺い、進捗状況を確認し、問題があれば改善につなげる「史察」が重要です。同じ温泉街に1年間に100回以上も出張したと言い張る某県議会議員には、辞任するだけでなく「史察」の成果を説明する責任があります。

さて、震災から3年4か月となった11日、4か月ぶりに陸前高田市を訪ねました。新たなまちづくりのための区画整理地域では高さ14メートルもの土地のかさ上げが進み、一時入札不調が続いた高田高校でも急ピッチで工事が行われていました。宿泊先の「ホテルキャピタル1000」は昨年暮れに高台移転して営業を再開しました。建物もスタッフも清新で快適なホテルです。室内からは市内中心部が一望でき、陸前高田の復興の進捗状況の「史察」には最適な場所です。

翌12日は、明け方4時20分ころの地震で目が覚めました。幸い被害はなかったものの、津波への警戒を呼びかける放送やサイレンなどが何度も鳴り響き、被害の再発を防ごうという強い意思を感じました。戸羽市長からは、中心部の区画整理事業の見通し、障害者や弱者が暮らしやすいまちづくり構想などを伺い、復興サポートステーションでは、側溝の泥上げなどボランティアの需要が依然多いことを伺いました。

DSC03391昨年もお邪魔した広田半島の大久保第2仮設団地では、お年寄りを中心に公共交通が不便という声や、高台移転先の土地は決まったものの、資材等の高騰で住宅建築費用がかさんだり、大工さんが不足したりして、住宅が建てられなくなるとの不安をお聴きしました。その後は、盛岡市で親しくさせて頂いている、定期的に仮設住宅に支援物資を届ける活動を続けている皆さんのご紹介で、広田半島の長洞仮設団地と、大船渡市赤碕町の山口仮設団地を訪ねました。いずれも住民同士の結びつきが強く、経済的事情や土地利用の制限で仮設から本設への転居の際に住民が分散してしまうことを危惧していました。

震災から時間が経ち、家を建てる土地がないという問題は解決の方向に向かっていますが、今度は土地があっても家を建てられないという問題が浮上してきています。膨大な労力と費用をかけて造成した住宅用地が虫食い状態にならないよう、解決に向け尽力します。