IMG_13783日、衆議院復興特別委員会に所属する議員のうち、各党から選ばれた10人が釜石市と大槌町を視察しました。民主党からは、地元の黄川田徹代議士と私が参加。釜石では入居間もない災害公営住宅と防潮堤の建設予定地を視察し、大槌では高台から市街地の現況を視察するとともに、県、市、町の幹部の皆様と復興に必要な政策、予算について活発な意見交換をしました。

津波で甚大な被害を受けた地域の視察は、これまでも多くの国会議員が行っています。ただし、党派を超えて一緒に視察をする機会はめったにありません。今回の視察の最大の成果は、自民党の後藤田委員長をはじめ各党のメンバーが、「防潮堤建設や高台移転に必要な土地を自治体がスムーズに取得するには、新たな法制度が必要だ」と認識してくれたことでした。

実は、この復興用地の取得問題を解決するため、民主党では、ネクスト復興大臣の黄川田さんと私で相談しながら議員立法の案を作ってきました。

その骨子は、①権利者が誰か分からなかったり、その居場所が分からなくなっている土地につき、民間も活用して迅速に調査を行い、その際の費用を国が負担すること、②調査の結果、権利者が行方不明の場合に必要となる相続財産管理人や不在者財産管理人が不足しないよう、復興庁で人材を養成し、そのリストを自治体に提供すること、③一つの土地に多数の共同相続人がいて、そのうち複数の人が行方不明である場合には、専門能力を持つ不在者財産管理人が単独で行方不明者全員の権利を処分できるようにすること、です。

特に③の点は、行方不明者ごとに不在者財産管理人を選び、行方不明者どうしの利害調整を適切に行わなくてはならないとする民法の基本的な考え方を超えるものです。しかし、遺産分割が何代にもわたって行われていない土地では、行方不明になっている権利者も多数にのぼります。行方不明者ごとに不在者財産管理人を選び、利害の調整を行うのでは時間と労力がかかり過ぎます。復興を促進するため、行方不明者の権利を守る仕組みも作った上で民法の例外を設けることにしました。

黄川田さんや私をはじめ、民主党の同僚議員がこのような制度を設けるよう国会質疑の場で政府に要請してきましたが、復興庁も法務省も腰が重いため、議員立法を作りました。今回の視察を活かすためにも、与野党の協力を得て早期成立を目指したいと思います。