5月3日の憲法記念日を前に、テレビの討論番組などでは、憲法改正が大きなテーマとなっています。特に、憲法改正案を国民投票に掛ける場合に衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成を要すると定めた、憲法96条を変更すべきかどうかが議論となっています。

自民党の安倍首相や維新の会の橋下代表などは、「3分の2以上」を「過半数」とすることで国民投票に持ち込みやすくし、主権者たる国民の意思で憲法を決められるようにすべきだと主張しています。しかし、「主権者たる国民の意思で憲法を決められる」ことを本気で目指すなら、先に片づけなくてはならない「宿題」があります。

今から6年前に成立した「日本国憲法の改正手続に関する法律」(国民投票法)では、憲法改正の際の国民投票のやり方を定めています。しかし、法律の附則により、「宿題」として以下を定めています。

①  国民投票では18歳以上の国民が投票することになりましたが、これとつじつまが合うよう、  国は、選挙権年齢などにつき必要な法制上の措置を講じること。

②  公務員については法律で政治的行為が制限されていますが、憲法改正の国民投票の勧誘行為が制限されないよう、国は、地方公務員法の改正など必要な法制上の措置を講じること。

③  憲法改正のテーマにつき事前に民意を問う「予備的国民投票制度」の意義、必要性について、国は、必要な措置を講じること。

①と②については、法施行日(平成22年5月18日)までの宿題ですが、それから3年経っても片付いていません。③については、法施行後、速やかに行われることになっており、主権者たる国民の意思を大事にするのであれば直ちに取り掛かるべきですが、これも片付いていません。

そもそも国民投票法は、第一次安倍内閣の時に成立した法律です。憲法96条改正という大きな問題を議論する「授業」に出る前に、提出期限をとっくに過ぎている「宿題」を片づけるべきです。