22日、東京スカイツリーがオープンします。634メートルという世界一の高さを誇るタワー。近くに寄るとその巨大さに圧倒されると共に、他に類を見ない造形美に感動を覚えます。大震災津波、原発事故という国難から再起途上にある日本にとって、絶好の時期に希望のシンボルができたと思いました。

おそらく今から55年前、敗戦から10年余りで東京タワーが完成した時も多くの国民が同じ気持ちを抱いたのではないでしょうか。敗戦から立ち上がりつつあった日本にとって、東京タワーが希望の象徴として国民を勇気付け、その後の高度経済成長に少なからず寄与したはずです。

我々民主党も、政権交代直後は間違いなく国民にとって希望の象徴でした。総選挙によって初めて国民が選んだ政権が生まれ、これからは官僚組織や一部の既得権者のための政治ではなく、「国民の生活が第一」の政治が行われるようになると、国民は期待していました。

その期待を無にせず、もう一度国民に希望を持って頂くようにするために、民主党は、マニフェストの実現に向けて懸命に努力した政権交代直後の姿を取り戻さなくてはなりません。

野田総理も、ねじれ国会という大きなハンデを背負いつつ、震災復興と原発事故対応をはじめ、社会保障と税の一体改革、各国との経済連携など、多くの課題に誠実に取り組んでいます。ただ、それが古いタワーを手直しする小手先の対応に留まっているように見えるのが、非常に残念です。

大きな課題を解決するには国民の理解と協力が不可欠であり、そのためには、多少時間がかかっても国民が希望を持てる新しいタワーを作る必要があると思います。

この9月に行われる予定の民主党の代表選挙は、古いタワーを手直しする現実重視の政治と、新しいタワーを築く希望重視の政治のどちらを選ぶかが争点になると思います。皆様におかれましては、ぜひ党員もしくはサポーターに登録して頂き、日本の進路を決める代表選挙にご参加されますよう、心よりお願いいたします。