24日から始まった通常国会で最も議論になりそうなのが「社会保障と税の一体改革」。基礎年金の国負担分を三分の一から二分の一に引き上げるなど社会保障の充実と、それを賄うお金を調達するための消費増税をセットで行うので、「一体改革」と呼ばれています。

これに比べると注目度は落ちますが、私が政務官時代から関わってきた給与臨時特例法案国家公務員制度改革法案は、「もう一つの一体改革」と言えるかもしれません。まず、給与臨時特例法案は、国家公務員の給与を24、25年度の2年にわたり平均7.8%引き下げます。マニフェストの国家公務員人件費2割削減と復興財源確保のため、政治決断により異例の引き下げを実行しようとするものです。

通常、国家公務員の給与は、政府から独立した人事院という第三者機関の勧告に基づき、翌年度の上昇(下降)率が決められることになっています。しかし、人事院の勧告は「民間準拠」といいながら民間の情勢とはかけ離れているとの批判がかねてからありました。実際、来年度の給与に関する人事院勧告はマイナス0.23%で、震災や円高という非常事態にもかかわらずほぼ横ばいです。

そのような人事院勧告があるのに、なぜ大幅に給与を削れるのか。それは、もう一つの国家公務員制度改革法案の中で、治安や防衛などを除く非現業の国家公務員に対し、団体交渉によって給与を決める協約締結権を認めたからです。「民間の労働者に当然認められる協約締結権を公務員にも認めて欲しい」という組合側の要望を受け容れることで、政府は給与の大幅引下げに踏み切ることができたのです。

公務員制度改革法案については、自民党さんは「協約締結権など労働基本権を公務員に与えると、組合の力が強まり、かえって給与が上がってしまう」と反対しますが、心配には及びません。労働者側が協約締結権を持ったとしても、給与の出し手である納税者の理解が得られないような要求をすることはできないからです。むしろ人事院勧告で給与を決めるよりも、時勢に合った給与に変えられるはずです。

Prime News

(c) BSフジ Live プライムニュース

30日に、BSフジの「プライムニュース」に出演し、みんなの党の浅尾政調会長とこの問題を議論させていただきましたが、みんなの党も国家公務員に協約締結権を与えることに賛成でした。公務員の給与カットに一番熱心なみんなの党が賛成したということは、自民党さんの反対理由にはあまり説得力がないことを意味します。

「協約締結権問題は切り離し、給与削減問題だけ決着させるべき」というのが一部野党の主張ですが、一体で決着させない限り、今給与削減しても二年後には元の黙阿弥になってしまうということを指摘しておきます。