高市政権となって初めての補正予算案が閣議決定されました。先週、政府が公表した「『強い経済』を実現する総合経済対策」を実行するための予算案です。57ページにわたる「経済対策」文書の冒頭には、~我が国経済は今、「デフレ・コストカット型経済」から、その先にある新たな「成長型経済」に移行する段階まで来た。まさに今、再びデフレに後戻りしない「成長型経済」に移行できるかどうかの分岐点に立っている~と書かれています。
そうした高市政権の認識の下、今回の補正予算案による経済対策の総額は17.7兆円と、コロナ禍の令和4年以来の大規模なものとなりました。そのうち、11.7兆円は政府の新たな借金によってまかなわれます。政府による巨額の財政出動により、さまざまな分野にお金がばらまかれて実体経済の需要は増えます。しかし、人手不足などで供給が需要に追い付かず、ますます物価が上がる可能性もあります。
また、日本政府はただでさえ借金が多いのに、さらに借金を増やして財政を圧迫すると、日本の「円」の信用が低下します。これは為替市場で円が売られ、円安が進む原因となります。円安は輸入物価を引き上げ、国内の物価高を加速させます。現に最近は1ドル156円前後となっており、高市政権になってから10円程度円安が進みました。
28日、党内の会議で政府から補正予算案の説明を受けた際、「『デフレ・コストカット型経済』の先にあるのは、『成長型経済』ではなく『インフレ・コストアップ型経済』ではないのか」と尋ねると、担当者は否定できませんでした。同僚議員は「今回の補正予算案を執行すると、いったいいくら物価が上がるのか」と質問しましたが、政府側は「補正予算案には電気・ガス補助金のように物価を下げるものもある」と言い訳して、答えませんでした。
政府も、食料品を中心とした物価高が家計の安心を揺るがしていることは認めています。それを改善するための経済対策が、さらなる物価高を招きかねない内容となっているのは大いなる矛盾です。立憲民主党でも独自の経済対策を発表していますが、中低所得者、一次産業、医療・介護・保育、中小企業、教育関連に的を絞り、政府案の半分程度の規模です。新たな借金を増やすこともなく、政府案のように物価高を招く危険を極力なくしました。
一方、25日の本会議では、「保護司法等の改正案」が可決されました。「保護司」とは、犯罪をした者などの立ち直りを支え、犯罪予防活動を行うボランティアです。法務委員会での審議では、成り手が不足する中で時に身銭を切って任務を遂行している方々への金銭的支援を充実させるべきだという意見が多数出ました。政府の答弁は渋いものでしたが、こうした分野こそ、「インフレ・コストアップ型」にすべきです。