15日、立憲民主党の津村啓介代議士と共に、茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)を視察しました。津村氏と私は、超党派の国際リニアコライダー(ILC)を推進する議員連盟で共に役員を務めてきました。KEKでは、ILCの建設に必要な技術、装置を開発しています。その進捗状況を確認するのが今回の視察の目的です。
ILCの役割は「ヒッグス・ファクトリー(ヒッグス粒子の製造工場)」です。ヒッグス粒子とは、2012年に欧州合同原子核研究機構(CERN)の「LHC」という実験施設で発見された素粒子です。これを徹底研究することで、宇宙の謎の解明に役立つと言われています。ただし、研究に必要な量のヒッグス粒子を発生させるためには、素粒子どうしを光速に近い速さで正面衝突させ、大きなエネルギーを生み出す必要があります。素粒子ではなく陽子を衝突させるLHCに、その能力はありません。
そこで、ILCは、全長約20kmの地下の直線トンネルに、超電導の「加速器」と超精密な「ビーム制御装置」を設置。双方向から加速した電子と陽電子を正面衝突させ、ヒッグス粒子を発生させようとしています。野球に例えれば、剛速球をコントロールよく投げる力と、それに負けないバットの振りで球を真芯で捉える力を兼ね備えた、大谷選手のような「国宝」級の施設を目指していると言えます。
今回の視察では、素粒子群を直線的なビームに整える技術、電子と陽電子を効率よく加速する技術、電子と陽電子の衝突の確率を高めるためにビームを極細にする技術などの開発において日本が先行し、ILC建設に向けた環境が整いつつあることを確認できました。
一方、CERNではLHCを進化させた「FCC」や、ILCと似た方式の「CLIC」の建設を検討中です。中国でも巨大な円形加速器の計画が進んでいます。これらの動きを静観するのではなく、ILCが他国の「ヒッグス・ファクトリー」より優れていることを積極的にアピールして、国内外の協力を得やすくすべきです。超党派のILC議連のメンバーともこの認識を共有し、誘致に向けた運動を強化したいと思います。
ところで、電子と陽電子は、質量が等しく電気的性質が逆の素粒子であることから、互いに「反粒子」の関係となります。反粒子どうしが接すると、合体することなく両方とも消滅してしまうそうです。つい先日まで企業団体献金の存続を目指す自民党と、その廃止を主張する日本維新の会とは、「反粒子」のような関係でした。今や高市政権発足に向け、自民が維新に触手を伸ばし、維新もこれに乗る気満々です。果たして一般の有権者の理解は得られるのでしょうか。双方とも消滅への道を歩んでいるのかもしれません。