29日、閉会が13日に迫ってきた「大阪万博」を、お二人の地方議員と共に視察しました。報じられているとおり、ここに来て来場者がどんどん増えています。広い会場に国内外のパビリオンが多数並んでいましたが、どこも行列で容易に入ることができません。
岩手のような遠方から来る場合、泊りがけの「泊覧会」か、雰囲気を味わうだけの「薄覧会」になりそうです。そのせいか、国内の来場者は、近畿地方からが7割弱を占め、東北地方からはわずか0.8%です(6月12日までの統計)。私たちは事前に予約して、日本のほか、UAE、ポルトガル、ドイツ、カザフスタンの各パビリオンを視察できました。
UAEは産油国ですが、最先端の太陽光パネルの展示が印象的。ポルトガル館は日本の有名建築家が設計した施設で、中世以来の日本との交流を紹介。ドイツ館はマスコット型の音声ガイド機器「サーキュラー」を貸し出すなど、サービスが充実。カザフスタン館は新興国などが集まって入る建物の一角にあり、国の歴史や文化の発信に注力。そして日本館は、全てのパビリオンで最も大きく、内容にも見た目にもこだわりを感じました。
日本館では、①「ごみ」から「水」へ、②「水」から「素材」へ、③「素材」から「もの」へ、という三つのエリアで「いのちの循環」を表現。各エリアでは、バイオガス工場から発生する水を貯める池、藻類の培養施設、ものづくりを実演する3Dプリンターとロボットなどが、芸術品のように配置されていました。CLTという加工木材を使ったパビリオンの造りや色調も洗練されていて、落ち着いた居心地のよい空間でした。
これだけの施設を作るのに、国は360億円の予算を計上しています。しかし、半年間の万博が終わるとすぐに取り壊すそうです。万博のチケットを持っていても閉会までに入場できない方が多数見込まれる中、「日本館だけでも残して、多くの国民に見てもらうべきではないか」と提案しましたが、「取り壊して木材を再利用するため、困難」とのこと。
日本館の建築費以外にも国は会場建設費に783億円など、万博開催に必要な予算を約1400億円も計上してきました。万博後も使用される会場周辺のインフラ整備や交通網の整備には約8500億円が投じられ、合計で1兆円を上回る国民の税金が使われます。
万博会場の跡地は、カジノを含む「統合型リゾート施設(IR)」になることが決まっていますが、国民の納得を得られるか疑問です。日本館の一角に、「二度と見られない、はかなすぎる芸術」と題した展示物がありました。「はかない」という表現は、日本特有で外国にはないとの説明でした。これほどはかない税金の使い方も外国にはないかもしれません。