今年の暑さは異常です。気象庁によると、6月から8月の全国の平均気温は平年を2.36度も上回り、8月5日には群馬県の伊勢崎市で史上最高の41.8度を記録。盛岡市でも8月3日に、101年前の史上最高気温と並ぶ37.2度を記録しました。
ところで、正式な記録ではありませんが、かつて東京では最高気温が45度を超えた日がありました。関東大震災があった1923年9月1日の翌日未明のことです。観測所付近では大震災による火の勢いが強かったために異常な高温となっていました。このことを知り、猛暑の中で首都直下型地震や南海トラフ地震が起きたらどうなるのか不安を感じました。そこで、政府にその備えがあるのか確認したいと考え、2日にその場を設けました。
あらかじめ所管の内閣府の防災担当に対し、「猛暑時に災害が発生したときの避難方法、救出体制、熱中症対策」を説明して欲しいと依頼。それでも単独では説明できず、環境省、厚労省、消防庁など大勢の官僚が同行してきました。さらに、炎天下で交通機関がマヒして「帰宅難民」になった場合にどうするのかと問うと、「徒歩で自宅まで帰るのが基本」と答えるなど、政府としてまともな対応策が検討されていないことが分かりました。
実際、1日の「防災の日」に石破首相ほか全閣僚が参加した政府の総合防災訓練は、猛暑だったにも関わらず、12月1日に南海トラフ地震が発生したという想定でした。非常に心もとない現在の防災体制ですが、石破首相が総裁選から一貫して訴えてきた政策は、政府内に「防災庁」を設け、専任の大臣と専門人材を置き、「徹底した事前防災、発生時から復旧・復興までの一貫した災害対応の司令塔となる組織」を作るというものでした。
やや期待してその準備状況を聞いてみたところ、決まっているのは来年度に「防災庁」を設けることだけで、具体的な任務や組織の体制などはいまだに決まっていないとのこと。先週まとめられた政府の「概算要求」にも、来年度の防災庁の予算や人員の数字が書き込まれていません。このままでは単に大臣を一人増やすだけになりかねず、不安は募る一方です。
「防災庁」だけでなく、「ガソリン暫定税率」、「物価高対策」、「トランプ関税」など、早急に取り組まなくてはならない課題が山積しています。しかし、参院選から1か月半が経とうとしているのに、いまだに自民党は石破首相を続投させるか辞めさせるかで揉めています。
少数与党とは言え、政権を担う自覚があるのなら、猛暑時の災害への備えなど、盲点となっている「防災」に万全を期すべきです。「防災」そっちのけの「忘災」で、権力争いに明け暮れているように見えます。国民からすれば、これも大きな「災害」です。