11日、同僚議員らと共に、「租特透明化法改正案」を衆議院に提出しました。「租特」とは、「租税特別措置」の略で、国が定める特定の行動をとった企業や個人に対し、減税の恩恵を与えるものです。そして「租特」は、以下に述べるような不透明な点があって、「隠れ減税」となっています。これを正していくのが今回提出した法案の目的です。

第一の不透明は、減税の相手先です。例えば、令和5年度は「研究開発税制」という租特により、最も恩恵を受けた企業は約1600億円の減税になりました。しかし、その企業の名称を政府は明らかにしていません。仮に同じだけの補助金をもらった企業があれば、社名が明らかにされるだけでなく、補助金をもらってから1年間、献金が禁止されます。

これでは、政治家が特定の企業にこっそり租特の恩恵を与え、その見返りに献金を受けることもできてしまいます。こうした政治家と企業の癒着を防ぐため、今回の法案では、各租特ごとに、法人税が減税された企業のうち上位10社の名称を公表することとします。

第二の不透明は、租特の効果です。賃上げをした企業の法人税を減税する租特が典型例です。これにより、令和5年度は約7300億円の減税が行われましたが、租特の効果で賃上げが進んだのかはよく分からない、というのが政府の見解です。最近賃上げが進んだとは言え、利益の多い大企業などは減税という恩恵がなくても賃上げできたはずです。

一方、利益が少ない中小企業などは法人税の負担が少なく、減税のメリットもわずかです。それでも人手を確保するため、租特と無関係に賃上げしたところが多いはずです。こうした費用対効果がよく分からない租特を廃止するため、今回の法案は、六つのチェック項目で租特の合理性、有効性、相当性を判断し、必要がない租特は廃止することとしています。

第三の不透明は、減税の財源です。租特による法人税の減税額は民主党政権の時は約1兆円でしたが、今は約3兆円に膨らんでいます。しかも、減税によって生じる財源の穴を埋めていません。財源の裏付けのない無責任な租特を廃止するため、今回の法案では、先の六つの項目のほかに、財源が確保されているかどうかもチェックすることとしています。

11日の党首討論で、石破首相は、食料品の消費税を1年間ゼロにするという野田代表からの減税案に対し、「社会保障の財源をどうするのか」と批判しました。しかし、立憲民主党の減税案は財源をきちんと示しています。また、必要のない租特を廃止することで税収を増やすことも財源に織り込んでいます。「隠れ減税」にメスを入れる「租特透明化法改正案」を成立させ、「まっとうな減税」に切り替えていきます。