3日、「我が巨人軍は永久に不滅です」という、まさに永久に不滅の名言を遺し、長嶋茂雄さんが89歳の生涯を終えました。この名言が生まれたのは昭和49年、私は小学2年生でした。普段は野球に興味のない祖母と母が、夕飯の支度の手を休めて長嶋さんの引退セレモニーの中継を真剣に観ていました。この時から、私も野球に興味を持ち始めました。
その後、運よく長嶋さんを輩出した東京六大学リーグに入り、東大の投手として神宮のマウンドを踏むことができました。入学当時、立教大学の「4番サード」は「長嶋ジュニア」の一茂さんでした。彼と直接対決したことはありませんが、親譲りの華のある選手でした。長嶋さんが息子を観に神宮球場に来ると、スタンドがざわめいていた記憶があります。
さらに近くで長嶋さんを拝見したのは、10年前の平成27年です。約1500人が集まった、東京六大学野球の結成90周年を祝う大パーティーでしたが、長嶋さんが登場すると大勢の人が取り囲み、ご挨拶すら叶いませんでした。生涯を通じ、多くの国民の期待に応え、愛され、注目され続けた長嶋茂雄さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
翌4日、もう一つの悲しむべきニュースがありました。昨年の日本人の出生数が前年より4万人以上減り、統計開始以降初めて70万人を割り込んだのです。長嶋さんが引退した昭和49年には202万人でしたが、その後はほぼ減り続けました。ただし、出生数が半分の100万人となったのは、長嶋さんを最後に拝見した10年前なので、出生数が半減するのに40年かかっています。ところが、その後わずか10年で3割以上も出生数が減っています。このままいくと、我が国は「永久に不滅」どころか「早急に消滅」してしまいます。
いくら政府が「少子化対策」に力を入れても、少子化が進むのはなぜでしょうか。私は、成果が出ない理由は二つあると考えます。第一の理由は、政策です。2日の読売新聞の世論調査を見ると、少子化の原因は都市部と地方で異なります。都市部では住まいや教育の費用が高いこと、保育園を含め子育てへの協力者が少ないことを挙げる人が多く、地方では出会いの場や働く場が少ないことを挙げる人が多くなっています。そうであれば、都市部か地方のどちらかに定住するのではなく、生活は地方、仕事は都市部といった「二地域居住」をもっと推進すべきです。これは「地方創生」にもつながる一石二鳥の政策と言えます。
第二の理由は、政治家の問題です。少子化担当大臣は、毎年のように交代しています。これでは役所の操り人形になってしまい、リーダーシップを発揮できません。長嶋さんは、名前を省いて「ミスター」で通用する唯一の存在でした。大臣は、英語で「ミニスター」といいます。名前を省いて「ミニスター」で通用するような少子化担当大臣が、今こそ必要です。