21日、厚生労働委員会で質疑を行いました。議題は今国会の最重要法案とも言うべき公的年金の機能強化法案です。ただし、機能強化の要である「基礎年金の底上げ策」につき自民党から異論が出て、法案提出が2か月も遅れ、結局その部分が抜かれた状態で審議されることになりました。まさに、「あんこの入っていない、あんパン」のような法案です。
ところで、「基礎年金の底上げ策」はなぜ必要なのでしょうか?公的年金制度では、国民年金の加入者は基礎年金だけ、厚生年金の加入者は基礎年金に加えて報酬比例年金を受け取ります。小泉政権下で、少子高齢化で年金財政が破綻するのを防ぐため、基礎年金と報酬比例年金を毎年少しずつ目減りさせる、「マクロスライド方式」が導入されました。
昨年の政府の試算では、基礎年金は2057年度まで目減りが続き、現在の水準より約3割も目減りするとの結果が出ました。一方、報酬比例年金は来年度で目減りが終わります。これは厚生年金加入者の保険料のうち基礎年金に配分される割合が少ないためです。そこで、今までより基礎年金への配分割合を増やして基礎年金と報酬比例年金の目減りが終わる時期を2036年度にそろえ、基礎年金の底上げをしようというのが今回の案です。
石破首相は、これをやれば「最終的には99.9%を超えるほぼ全ての厚生年金受給者の給付水準が上昇する」と答弁しています。なのに自民党は、「厚生年金の流用にあたる」との批判を受け、「あんこ」を抜いてしまいました。そもそも「流用」とは、「きまった目的以外のことに融通して使用すること」という意味です。もともと厚生年金の保険料の一部は基礎年金に配分する仕組みです。配分割合を変えても「流用」には当たりません。現に、私の質問に対し、福岡厚労大臣は「流用」とは言わず、「活用」という言葉を使っていました。
一方、この法案には本当の「流用」が含まれていることを、私は質疑で指摘しました。それは、厚生年金の適用範囲の拡大で社会保険に加入して手取りが大きく減る方々、具体的には、従業員50人以下の企業で週20時間以上働く方々などの社会保険料の扱いです。この方々が勤務時間を週20時間未満に抑えようと「働き控え」をすると、人手不足がますます深刻になります。これを避けるため、社会保険料の最大半額を3年間免除し、そのために必要な財源を他の方々が納めた社会保険料で実質的に賄う仕組みを盛り込んでいるのです。
福岡大臣は「流用には当たらない」と答弁しましたが、「働き控え」を防ぐことは社会保険料の目的から外れています。立憲民主党は、保険料を「流用」せずに公費によって社会保険料による手取り減を穴埋めし、保険料を「活用」して「基礎年金の底上げ」を図る提案をしています。「流用」と「活用」を誤用することなく、着実に信用を得ていきます。