11日、財務金融委員会では、日本政策投資銀行(政投銀)の「特定投資業務」を再延長する法案の審議が行われ、私も質疑に立ちました。政投銀は、長期の融資や出資を行う政府系の金融機関です。「特定投資業務」という名称は、とても分かりづらいですが、要するに政府と政投銀が1対1の割合で資金を出す「官民ファンド」のことです。政府はこの「官民ファンド」に対し、2015年の設立以来、約1兆円の公金を投入してきました。
当初、「特定投資業務」は10年(今年度末)で業務を終える予定でした。しかし、コロナ禍の2020年に期限が5年間延長され、今回の法案が通るとさらに10年間も期限が延長されて業務完了は2040年度まで伸びます。公金の投入額は増え続けてしまいます。
安易に「特定投資業務」を再延長するべきではなく、まずは、国会として多額の公金が適切に使われてきたのか知る必要があります。質疑の前に、政投銀に対して投資先と投資額の一覧表を出すように求めましたが、出てきたのは投資先の名前がなく投資額だけが大きい順に並んだ一覧表でした。他の「官民ファンド」では、あり得ない対応です。
質疑でも、政投銀の社長に対して情報開示を求めました。しかし、政投銀は通常の金融業務も行っているので他の「官民ファンド」とは違うとか、取引先との守秘義務契約があるので情報は出せないとか、様々な理屈を並べて応じません。「公金を得ておいて、国会に情報を出せないのなら『官民ファンド』を担う資格はない、やめるべきではないか」と詰め寄ると、「大変厳しい指摘だ」などと言いながら、ようやく330億円もの損失を出した案件について、投資先の名前と、投資目的が「地域活性化」だったということを明らかにしました。
ところが、政投銀は、損失が発生する前にその投資先に関する情報を発信していて、そこでは「競争力強化」という別の投資目的を挙げていました。この食い違いを指摘すると、「どちらの目的もあるが、投資先の本社の所在地が地方にあることを重視した」と答弁。一方で、愛知県豊田市に本社があるトヨタに投資する場合の目的は、「地域活性化」とはならない、と答弁するなど、極めていい加減でご都合主義的な答弁でした。「どうせ、ばれないだろう」と考えたかどうかは知りませんが、多額の公金を投資の失敗で失っても言い訳しやすいように、途中で「地域活性化」という投資目的に切り替えたのではないでしょうか。
政投銀の社長の答弁からは、これまで通り「特定投資業務」を続けたいが、なるべく情報は公にしたくないという姿勢がにじみ出ていました。「官民ファンド」は、官と民のいいところを兼ね備えたものであるべきです。しかし、政投銀は、官と民の「いいとこどり」をしようとしています。私の質疑を踏まえ、党として今回の法案に反対することを決めました。