19日、兵庫県議会は全会一致で斎藤元彦知事の不信任を可決。知事のパワハラなどを内部告発した県幹部が自殺するに至り、県政の混乱を招いた責任が問われたものです。県政の刷新に取り組んだ斎藤知事でしたが、県の職員がやる気を失ったら何もできません。

現在、新たな首相を選ぼうとしている国政も同じです。いくら立派な政策を掲げても、官僚が離れてしまうリーダーは失格です。実際、若者の「官僚離れ」が進んできました。採用から10年未満のキャリア官僚の中途退職者は2022年度で177人。この10年間で2倍超になり、過去最多です。現行の採用試験の志願者も、民主党政権の2012年度は約2万4千人でしたが、今年度は1万4千人弱と、1万人も減って過去最低です。

若者の「官僚離れ」を食い止めるため、人事院は、8月の内閣と国会に対する勧告・報告で、採用試験を受けやすくし、初任給や通勤手当を大幅に引き上げ、育児時間を確保することなどを盛り込みました。それでも、待遇の面では民間の大企業にかないません。私は日々官僚と接する中で、「官僚離れ」を止めるには、待遇以外に三つの改革が必要と考えます。

第一に、組織の文化や風土の改革です。内閣人事局が設置された第二次安倍政権以来、時の政権の意向をそんたくしないと出世できず、政権に物を言うと左遷されるような文化・風土がまん延してきました。その象徴が、森友学園問題に関する公文書の改ざんです。内閣人事局が公平、公正に官僚人事を行うよう、そのあり方を根本的に見直す必要があります。

第二に、官僚が仕事に誇りを持つための改革です。官僚の無駄な残業の例として、国会答弁の作成が挙げられます。しかし、新たな難しい問題について官僚が時間をかけて答弁を作成するのは、むしろ誇れる仕事です。無駄なのは、大臣なら当然知っておくべきことについて、質問があるかどうかも分からないのに膨大な答弁書類を作ることです。大臣に恥をかかせまいという官僚の配慮でしょうが、質問する度に大臣の後ろにいる官僚が分厚い答弁書類から該当部分を探して大臣に読ませる姿の方が、よほど恥ずかしく止めるべきです。

第三に、官僚が仕事を通じて成長を実感できるための改革です。優れた専門的知識を持ちながら、それを十分に生かせていない官僚がいます。省庁の垣根を越えた公募によって自発的に異動できるようにし、地方自治体や民間企業との兼業も可能な限り認めるべきです。

23日に投開票が行われる立憲民主党の代表選挙では、私と同様の問題意識から、野田佳彦候補が「政と官の健全な関係の確立」を訴えています。野田政権の後に目立つようになった若者の「官僚離れ」。第二次野田政権を実現し、ブレーキをかけなくてはなりません。